日本で活動しているタイ人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、タイ人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

 

日本に在留しているタイ人

2022年12月の時点で、日本には約5万7千人のタイ人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では10番目に多く、アジアの国・地域の中では8番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

 

日本に在留しているタイ人を年代別に見ると、20代が約27%、30代が約20%、40代が約17%、50代が約22%、60代が約8%などとなっています。20~30代がやや多いですが、幅広い世代が在留していることが分かります。

 

タイ人の在留背景

タイ人は日本への観光・留学・技能実習・国際結婚など多様なルートで来日しています。特に多いのは留学生・就労者で、永住者・日本人配偶者等が多い点からも長期定住の傾向がみられます。

 

また、短期滞在の査証免除により観光で入国する人数は年間数十万人規模に達し、訪日経験後に就労や留学で再来日する事例もあります。

 

タイ人が取得している在留資格

日本に在留しているタイ人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技能実習(約9千人)、続いて特定技能(約2500人)、技術・人文知識・国際業務(約2500人)、技能(約1200人)などとなっています。

 

就労可能な活動資格では、技術・知識の修得を目的とした技能実習や単純労働が含まれる特定技能の在留資格が多いのが特徴です。

 

就労不可能な活動資格では、留学(約4千人)、家族滞在(約700人)、居住資格では、永住者(約2万1千人)、日本人の配偶者等(約7千人)、定住者(約4千人)などとなっています。

 

MOC(二国間協力覚書)

タイは技能実習制度の送り出し国であり、送出し機関を通じた手続きが一般的です。また特定技能に関しては二国間協力覚書(MOC)が整備されており、悪質仲介の排除や費用透明化が進められています。短期滞在では査証免除国のため、観光滞在から日本に親しむ機会が多い点も特徴です。

 

在留資格と就労分野の傾向

就労資格では「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」が中心で、特定技能では宿泊・外食・介護・製造分野が多く、タイ国内での日本語教育も進んでいます。


「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」が多い点から、家族帯同で生活基盤を築くケースも多く、子どもの就学や地域コミュニティとの関係が重要になります。

 

国籍に制限のある在留資格

タイ人は、技能実習の在留資格の対象となります。また、短期滞在では査証(ビザ)免除措置の対象となります。

 

タイ人の雇用で注意するポイント

タイ人を雇用するうえで注意すべきポイントを確認しておきましょう。

 

タイの民族構成と言語

タイは、東南アジアにあり、人口は約6600万人です。タイはタイ族と少数民族から成る多民族国家で、タイ人の民族構成は、約75%がタイ族、約14%が華人、マレー系やインド系などの少数民族となっています(外務省「タイ基礎データ」)。

 

タイの公用語はタイ語です。識字率は90%以上と高い水準にあります。タイ人を雇用する場合は、通常はタイ語でコミュニケーションをとることが考えられます。

 

タイの宗教

タイ人の宗教は、約93%が仏教、約5%がイスラム教など仏教が大半を占めているのが特徴です。仏教では食べ物の決まりはほとんどありませんが、イスラム教では豚肉食やアルコールの禁止などの決まりがあるため注意する必要があります。タイにはソンクラーン(旧正月)など旧暦の習慣があるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

 

タイの年度と採用

タイの会計年度は1月に始まり、12月に終わりますが、自由に設定することもできます。タイでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。タイの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。

 

タイ人の日本語能力・教育環境

タイでは日本語教育機関が多く、JLPT受験者数も東南アジアの中では上位です。観光・サービス業経験者も多く、外国人顧客対応に強い人材もいます。大学生・大学院生は英語話者も多く、IT・工学系・観光・ビジネス分野で活躍する例も増えています。

 

タイ人の働き方

タイでは仏教文化の影響により穏やかな対人関係を重んじます。上下関係・言い回しの配慮などで誤解が生じることがあり、日本企業側には指示・評価軸を明確にする対応が求められます。

 

まとめ

タイ人を雇用する場合、技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務などの在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。タイ人の言語はタイ語です。タイ人の宗教の大半を占める仏教ではあまり宗教への配慮は求められませんが、イスラム教では食べ物などへの配慮が求められます。また、旧暦の習慣に配慮する必要があります。タイ人の雇用は通年採用で考える必要があります。

 

当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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