現在、ベトナム大使館において短期滞在者に対する婚姻要件具備証明書は行われていないため、あらかじめ取得方法と滞在資格の確認が必要になります。ベトナム人と国際結婚をするための手続きはやや煩雑さを伴うことから、ここでは、先にベトナムで手続きを行う場合と先に日本で手続きを行う場合について説明していきます。
先にベトナムで婚姻の手続きを行う場合
ベトナムで婚姻の手続きを行うためには、ベトナム地方人民委員会への申請が必要になります。手続きを行う予定の地方人民委員会司法局に詳細を確認し、事前に備えておくことが大切です。
日本人の必要書類をあらかじめ用意する
婚姻要件具備証明書
公立の総合病院が発行する健康診断書(日本の病院が発行するものも条件を満たせば可)
HIVなど感染症についての診断書
婚姻要件具備証明書は、事前に在ベトナム領事館の証明・認証を受けたものが必要であり、また健康診断書は、精神科を含む総合病院が発行するものか日本の病院の証明を受けたものが求められます。なお、健康診断書の記載事項として、本人の意思表示能力の有無や結婚生活に支障なしの記載が必要です。
提出が必要な書類
【日本人】
婚姻要件具備証明書
公立の総合病院が発行する健康診断書(日本の病院が発行するものも条件を満たせば可)
HIVなど感染症についての診断書
パスポート
※パスポートは原本の提示とコピーの提出両方が求められます。パスポート原本の提示が難しい場合はベトナム公証役場で公証を受けたコピーが必要です。
【ベトナム人配偶者】
独身証明書
人民証明書
ベトナムでの手続き後の流れ
婚姻に関する手続きが受理されると、15日以内に婚姻要件具備証明書が発行されます。受け取りには日本人とベトナム人配偶者が二人揃って出向く必要があります。また、従前行われていた面接は、現在では行われていませんので、手続きのみとなるようです。
ベトナムでの手続きが完了したら、次は三ヶ月以内に日本で婚姻届の提出を行います。このとき必要になる書類は以下提出先にあらかじめ確認しておきましょう。
【提出先】
在ベトナム日本国大使館か日本国内の役所
日本で先に婚姻の手続きを行う場合
日本国内で先に婚姻に関する手続きを行う場合は、ベトナム人配偶者は指定された書類を用意する必要があります。なお、すでに日本国内に居住するベトナム人および短期滞在者であるベトナム人との婚姻の手続きに関しては、次の点についてあらかじめ関係各所に確認しておくようにしましょう。
【日本国内の役所】
在日本ベトナム総領事以外が発行する婚姻要件具備証明書・独身証明書が認められるかどうか
【在日本ベトナム領事館】
短期滞在者として来日したベトナム人に婚姻要件具備証明書は発行しないため、どのような形で来日ビザを取得すべきか
婚姻に関する手続きのための必要書類
提出する役所によっては求められる書類が変わってくることがあります。事前によく確認しておきましょう。
【日本人】
戸籍謄本(本籍地以外の場所に提出する場合のみ)
婚姻届
印鑑
本人確認書類(運転免許証など)
【ベトナム人配偶者】
婚姻要件具備証明書
出生証明書
パスポート原本およびコピー
その他必要とされた書類
婚姻届の署名欄には、ベトナム人配偶者はサインではなく楷書体で丁寧に記載することが求められます。なお、ベトナム人配偶者については押印が不要です。
在日本ベトナム領事館への提出
日本国内の役所から婚姻要件具備証明書が発行されたら、別途指定された書類を合わせて用意し、在日本ベトナム領事館に提出します。これにより在日本ベトナム領事館から婚姻受理報告証明書を発行してもらうことができます。
まとめ
ベトナム人の結婚可能年齢は男性20歳以上・女性18歳以上でいずれも満年齢でかぞえます。結婚がお互いの自発的な意思に基づく者であり、制限能力者ではなく民事訴訟能力を持っていることも条件の一つとなります。日本の結婚可能年齢とは異なっているので、その点に注意して婚姻の手続きを開始しましょう。
なお、婚姻の手続きが済んだら次は配偶者ビザの取得に関する手続きが待っています。入国管理局とのやり取りが発生し、必要とされる書類なども煩雑化するため、不安な場合は法律の専門家によるサポートを受けるといいでしょう。