特定技能の鉄道分野で外国人を受け入れるにはどうすればよいのでしょうか、特定技能の鉄道分野で外国人を受け入れる場合の要件について解説します。
特定技能とは
特定技能とは、日本において人材確保が困難となっている特定の産業分野において、日本の公私の機関との雇用契約に基づいて知識や技能を有する外国人が業務に従事することを認める在留資格です。
特定技能の在留資格は、介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、鉄道、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業の16種類の産業分野(特定産業分野)で認められています。
特定技能の在留資格をもつ外国人は、2022年(令和4年)の時点で約13万1千人います。鉄道分野は、2024年(令和6年)に新たに特定技能に追加された産業分野です。
特定技能の活動制限
特定技能1号
特定技能1号では、日本の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって、相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動を行うことが認められます。
特定技能2号
特定技能2号では、日本の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって、熟練した技能を要する業務に従事する活動を行うことが認められます。特定技能2号の在留資格は、特定技能1号から在留資格の変更を申請する必要があります。
特定技能の在留期間
特定技能の在留期間は、特定技能1号の場合は、1年を超えない範囲内の期間、特定技能2号の場合は、3年、1年、6か月のいずれかとなります。
特定技能1号では、在留期間を更新することで通算5年、特定技能2号では、在留期間を更新することで上限なく在留が認められます。
鉄道分野で外国人を受け入れるには
特定技能の鉄道分野で外国人を受け入れるには、外国人を就労させる受入機関(特定技能所属機関)が、外国人と雇用契約(特定技能雇用契約)を結ぶ必要があります。特定技能雇用契約は、出入国管理及び難民認定法、および法務省令「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(令和2年改正)」の要件を満たす必要があります。また、鉄道分野では「国土交通省告示」の要件を満たす必要があります。各要件の詳細について、「分野別運用方針」、「分野別運用要領」が定められています。
鉄道分野で外国人を雇用する場合は、外国人を直接雇用する必要があり、派遣や請負といった形で間接雇用することは認められません。
特定技能所属機関の要件
特定技能所属機関は、次のいずれの要件も満たす必要があります。
1 鉄道事業者、軌道経営者その他鉄道事業または軌道事業の用に供する施設もしくは車両の整備または車両の製造に係る事業を営む者であること
2 「鉄道分野特定技能協議会」の構成員であること
3 協議会に対し、必要な協力を行うこと
4 国土交通省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと
5 登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する場合は、協議会の構成員となっており、かつ、国土交通省および協議会に対して必要な協力を行う登録支援機関に委託すること
鉄道分野で外国人が従事できる業務
特定技能の鉄道分野で外国人を雇用する場合は、外国人に従事させる業務が次のものであることが必要です。
・軌道整備(軌道等の新設、改良、修繕に係る作業・検査業務等)
・電気設備整備(電路設備、変電所等設備、電気機器等設備、信号保安設備、保安通信設備、踏切保安設備等の新設、改良、修繕に係る作業・検査業務等)
・車両整備(鉄道車両の整備業務等)
・車両製造(鉄道車両、鉄道車両部品等の製造業務等)
・運輸係員(駅係員、車掌、運転士等)
まとめ
特定技能の鉄道分野で外国人を受け入れるには、外国人と特定技能雇用契約を結び直接雇用する必要があります。また、特定技能の在留資格で外国人が従事できる業務は決まっているため、その範囲内で業務に従事させる必要があります。当事務所では、特定技能の在留資格で外国人を受け入れるお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。