帰化国際結婚の手続をするときに、日本の役所で発行してもらった文書を外国の役所に提出することがあります。そのようなときに、文書をそのまま提出しても、たいていは受け付けてもらえません。では、どうすれば受け付けてもらえるのでしょうか?

 

どうして文書をそのまま提出できないの?

外国の役所が気にしていることが、提出された文書が本当に日本の役所が発行した文書なのか?ということです。その文書が役所の権限のある人によって、ルールに従って作成された文書(真正な文書)であれば良いのですが、外国の役所がそのことを確認するのは簡単ではありません。外国の役所としては、真正な文書であるか確認できないため、受け付けるわけにはいかないのです。

 

真正な文書かどうやって確認するの?

外国の役所が、真正な文書であることを確認できるようにする方法として、文書が真正であることを証明するものを付けるという方法があります。これが、「領事認証」と「公印確認」という仕組みです。また、そもそも文書のやり取りをする国々の間で、相手の国の役所で発行された文書を提出できるように条約で取り決めしておくのも一つの方法です。これが、「アポスティーユ」という仕組みです。領事認証、公印確認、アポスティーユといった「認証」の手続をまとめてリーガライゼーション、リーガリゼーション(Legalization)といいます。

 

認証を受けて文書を受け付けてもらう

手続に従って認証を受けた文書であれば、外国の役所は受け付けてくれます。そのため、外国の役所に提出しなければいけない文書があるときは、はじめに認証の手続を受ける必要があります。そこで、認証の手続について詳しく見ていくことにしましょう。

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日本の役所で発行してもらった文書を外国の役所に提出するときは、はじめに認証を受けなければいけません。

 

 

大使館や領事館で文書を確認する「領事認証」の仕組み

外国の役所にとって、その外国の権限のある機関が文書が真正であると証明してくれれば、信頼して文書を受け付けることができます。そこで、文書を発行した国にある外国の大使館や領事館が、文書が真正であるか判断する仕組みが設けられました。これが「領事認証」の仕組みです。

ご利用事例

ベトナム人の方が、日本人の方と国際結婚して配偶者ビザを申請されるということで、当社にご依頼になりました。ベトナムの婚姻手続では、日本で収集した書類をベトナムの役所に提出するときに、領事認証が必要となっています。当社が手続のサポートに入り、ご依頼者様にはベトナムに一時帰国した際に本国での手続を行っていただきました。

 

「領事認証」はどんな文書でも利用できるの?

領事認証の手続で、外国の大使館や領事館の証明を受けられるのは、役所で発行された「公文書」だけです。普通の人が作成した「私文書」については証明を受けられません。

外国の大使館や領事館が判断できるのは、公文書が真正なものかどうかということだけで、文書に押された「公印」が本物かどうかは判断できません。公印が本物かどうかは、文書を発行した国の確認が必要となります。そこで、公印を確認する手続について詳しく見ていくことにしましょう。

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公文書を提出するときは、大使館や領事館の領事認証を受けておきます。

 

国が公印を確認する「公印確認」の仕組み

文書に押された公印が本物かどうかは、その文書を発行した国が確認します。これが「公印確認」の仕組みです。公印確認は、外国の大使館や領事館が判断できるようにするため、領事認証の手続をする前に受けておく必要があります

 

日本の役所が発行した文書については、外務省が公印確認をしています。

ℹ️ 外務省「証明(公印確認・アポスティーユ)・在外公館における証明

 

公印確認が使えない場合もあります

国によっては、公印確認ではなく、文書を発行した国の大使館や領事館による証明が必要となる場合があります。はじめに公印確認を受けた文書について、重ねて大使館や領事館の証明を受けることはできません。そこで、証明が必要となる場合は、公印確認を受けないようにする必要があります。

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領事認証を受けるときは、先に外務省の公印確認を受けておきます。

 

領事認証がいらない「アポスティーユ」の仕組み

領事認証の手続は、文書を発行した国と外国の両方とやり取りをするため、時間と手間がかかります。もし、文書を発行した国が文書が真正かどうかも判断できれば、手続が簡単になります。そのような仕組みとして設けられたのが、「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)」です。この条約では、加盟国どうしで文書を提出するときは、文書を発行した国が、文書が真正であることを証明することになりました。国は、文書が真正であると証明するときに、文書に証明書を付与します。この証明書を「アポスティーユ」といいます。

 

日本の役所が発行した文書については、外務省がアポスティーユを付与しています。なお、2023年の時点で条約には120を超える国と地域が加盟しています。

ℹ️ 外務省「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)の締約国(地域)

ご利用事例

中国人の方が、日本人の方との国際結婚と配偶者ビザの取得を当社にご相談になりました。中国はハーグ条約に加盟したことから2023年11月7日よりアポスティーユを利用できるようになりました。ご依頼者様には当社がサポートする形でアポスティーユの手続をしていただき、無事に配偶者ビザも取得していただきました。

 

アポスティーユが使えない場合もあります

アポスティーユは、条約の加盟国どうしで文書を提出するときに限り利用できる仕組みです。文書を提出する国が条約に加盟していないときは、アポスティーユを利用できません。このような場合は、領事認証を受ける必要があります。

 

条約の加盟国どうしであっても、文書の種類や用途によっては、アポスティーユではなく領事認証を受けなければいけない場合もあります。

 

アポスティーユを付与してもらうには?

外務省でアポスティーユを付与してもらうには、次の要件を満たしている必要があります。役所で文書を発行してもらってから3か月という期限には注意しましょう。

  1. 文書が発行日から3か月以内のもので、発行日の日付が記載されていること
  2. 文書に発行機関(発行者名)が記載されていること
  3. 文書に個人印や署名ではなく、公印が押されていること

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国によっては、領事認証のかわりにアポスティーユを利用できます。

 

私文書を確認する「公証人認証」の仕組み

領事認証やアポスティーユの仕組みは、公文書のときに限って利用できます。私文書の確認をしてもらいたいときに、はじめからこれらの仕組みは利用することはできません。そこで、私文書であっても領事認証やアポスティーユの仕組みを利用できるように、公証人が文書を確認する「公証人認証」の仕組みがあります。この認証のことをノータライゼーション、ノータリゼーション(Nortalization)といいます。

 

公証人認証を受けられる文書は、私文書のうち、文書を作成した人の署名または記名と押印があるものです。このような文書を「私署証書」といいます。日本では、公証役場が公証人認証を行っています。公証人認証を受けた文書は、認証を行った公証人が所属する法務局で「公証人押印証明」を受けることで、領事認証やアポスティーユの仕組みを利用できるようになります。

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私文書で領事認証やアポスティーユを受けるときは、公証人認証を受けなければいけません。

 

まとめて手続できる「ワンストップサービス」の仕組み

公証人認証、公証人押印証明、公印確認、アポスティーユといった手続をそれぞれ行うのは、とても大変です。そこで、公証役場では、これらの手続をまとめてできる「ワンストップサービス」を行っています。なお、領事認証は外国の大使館または領事館で受ける必要があります

ℹ️ 外務省「申請手続きガイド 2申請の流れ

 

ワンストップサービスを受けられるのは、次の公証役場です。

公証人認証からアポスティーユまでの手続を行える公証役場

北海道(札幌法務局管区内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県

公証人認証から公証人押印証明までの手続を行える公証役場

埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、長野県、新潟県

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ワンストップサービスなら、アポスティーユの手続をまとめて済ませることができます。

 

外国で発行された文書を日本で提出するには?

日本は領事認証の仕組みを採用していません。外国の役所で発行された文書を日本の役所に提出するときは、領事認証やアポスティーユを受けなくても提出することができます

 

まとめ:外国の役所に文書を提出するときは注意しましょう!

外国の役所で行う手続があるときは、日本の役所が発行した文書がないか確認しておきましょう。そのような文書があるときは、領事認証とアポスティーユのどちらの仕組みを利用するのかも調べておく必要があります。文書の提出の仕方でお困りの方は、当社までご相談ください。

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