国際結婚により外国人配偶者が日本へ帰化すると、配偶者は正式に日本人となります。ただし、帰化するためには、日本の法律によって定められた諸条件を満たす必要があるのです。ここでは、どのような条件が課せられているのか、夫婦になることで帰化要件の緩和措置はあるのかについて説明していきます。

 

外国人が帰化する場合の法的条件

日本では、外国人が帰化する場合、法務大臣により以下の条件を満たすことを求められます。

 

住所条件

5年以上にわたる日本在住歴があること(ただし配偶者の場合は条件緩和が適用される)。在留資格を持ちきちんと日本の住所を持っていることが前提になる。

能力条件

20歳以上であり、かつ本国の法律により行動能力を持っていること。これは、日本における成人年齢20歳であると同時に、相手方の国の法律における成人年齢も満たしていることが条件になることから、必然的に20歳以上と考えることができます。

素行条件

納税の義務の遂行や在留資格の更新をきちんと行っているなど、普段から素行が善良であること。

生計条件

自分自身が日本で生活できるだけの資産があるか、配偶者や親族が本人の生活を補うだけの資産を持っていること。

重国籍防止条件

日本では二重国籍が認められていないため、日本国籍を取得した場合はそれまでの国籍を離脱し日本国民となること。

憲法遵守条件

暴力による日本制服の破壊計画を企てたり、同様の理念を主張あるいはそのような団体を結成したり加入したりする者ではないこと。

 

日本人と結婚する外国人配偶者への帰化緩和条件

一般的な帰化申請では、住所条件として「五年以上の日本国内住所を持っていること」が求められますが、結婚により帰化する場合は条件が若干緩和されます。継続して三年以上日本に住み住所を有していれば、日本人との結婚をタイミングとして帰化申請が可能になるのです。婚姻期間は特に設けられていませんが、継続した婚姻期間があることが前提になるので、途中で中断期間があった場合は住所要件を満たさないことになり、三年在住での帰化申請は認められません。

 

正式な決まり事としては、

 

「日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き日本に一年以上住所を有する者」

 

ということになりますから、例えば外国人配偶者と日本人が結婚した後、相手の母国で二年間夫婦として同居生活を送り、その後日本に来て一年以上居住していれば、条件を満たすことになるのです。

 

帰化手続きの申請先と申請の流れ

帰化するための申請手続きとその流れについて整理します。申請先は住所地を管轄する法務局ですので、間違って入国管理局に行かないようにしましょう。

 

【申請先】

日本国内の法務局あるいは地方法務局に申請します。

【申請の流れ】

申請が完了するまで複数回にわたる出頭が求められ、その後、日本人および外国人配偶者両人について面接が行われます。

【申請完了までの期間】

帰化を申請し面接にいたるまででも約三ヶ月から半年はかかるとみられます。期間の余裕を持ってスケジュールを立てるといいでしょう。

 

帰化申請が認められるまでにはおよそ数ヶ月かかるとされており、結果が出た際には法務局から本人に対し直接通知が届くようになっています。なお、前述の帰化申請条件を満たしている場合であっても、法務局の判断により申請が認められないケースもあるので、そのような展開を想定しておくことも大切です。晴れて法務局から帰化を許可する通知が届いたら、そこから一ヶ月以内に役所に出向き、在留カードを返納して帰化届を出すことになります。

 

まとめ

国際結婚を機に帰化を検討している場合は、さらに手間と時間を要する手続きが必要です。日本人同士の結婚とは違い、国籍の異なる二人が夫婦になり、ともに日本人となるためには、煩雑な手続きが求められるのです。配偶者の国籍がどこかによっても、手続きの流れが変化する可能性もあるかもしれません。法律が関わる非常に大切な手続きですので、自分たちだけで解決しようとせず、ぜひお気軽に法律の専門家までご相談されることをお勧めします。

 

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