日本で活動しているフランス人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、フランス人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
日本に在留しているフランス人
2022年12月の時点で、日本には約1万4千人のフランス人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では21番目に多く、ヨーロッパの国・地域の中では2番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。
日本に在留しているフランス人を年代別に見ると、20代が約26%、30代が約31%、40代が約20%、50代が約9%、60代が約4%などとなっています。20~40代の割合が大きく、50代以上の割合は小さくなっています。
フランスは日本との人的往来が多く、文化・芸術・学術・研究分野での交流も活発です。特に日本文化(アニメ・ゲーム・武道・歴史・芸術)への関心の高まりから、留学や文化体験目的での中長期滞在が増加している傾向にあります。さらに、日系企業のヨーロッパ展開に伴う国際的人材交流もあり、グローバル部門や研究開発部門でフランス人が採用される例もあります。
フランス人が取得している在留資格
日本に在留しているフランス人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技術・人文知識・国際業務(約3千人)、続いて特定活動(約700人)などとなっています。
就労可能な活動資格では、技術・人文知識・国際業務が多いのに対して、それ以外の在留資格は少ないのが特徴です。
就労不可能な活動資格では、留学(約2千人)、家族滞在(約1100人)、居住資格では、永住者(約4千人)、日本人の配偶者等(約2千人)などとなっています。
フランス人が取得している在留資格の例
語学教育分野(フランス語講師等)、芸術・文化関連、ファッション分野、美食(飲食・製菓)分野などフランス文化に関係する分野で、日本への受入が多い傾向があります。
フランスはOECD加盟国で先進国であるため、日本側が高度専門職の対象として評価しやすい背景があり、IT系や研究者分野では高度専門職での受入れ例も存在します。
また、フランス人の日本語能力は平均すると限定的ですが、通訳・翻訳・語学教育(フランス語)に関しては、日本側の需要も一定数あります。日本語ができるフランス人のなかには、観光業や外資ホテル、ラグジュアリーブランド業界で活躍するケースも見られます。
国籍に制限のある在留資格
フランス人は、特定活動(ワーキング・ホリデー)の在留資格の対象となります。また、短期滞在では査証(ビザ)免除措置の対象となります。
ワーキング・ホリデーは18~30歳を対象とした在留資格で、年間上限枠の設定があります。就労は付随的活動として認められており、長期滞在後の就労ビザ移行を希望する例も見られます。
フランス人の雇用で注意するポイント
フランス人を雇用するうえで注意すべきポイントを確認しておきましょう。
フランスの民族構成と言語
フランスは、ヨーロッパにあり、人口は約6800万人です。フランスはフランス人などから成る多民族国家で、フランスは人種・民族を調査することを規制しているため、フランス人の民族構成は不明となっています(外務省「フランス基礎データ」)。
フランスの公用語はフランス語です。また、地域によっては異なる言語が用いられています。識字率は90%以上と高い水準にあります。フランス人を雇用する場合は、フランス語でコミュニケーションをとることが考えられます。
英語学習も盛んであり、ビジネスレベルで英語使用可能なフランス人は少なくありません。また、日本語学習者も一定数存在します。
フランスの宗教
フランス人の宗教は、約47%がカトリック、約33%が無宗教、約4%がイスラム教、約2%がプロテスタント、約2%が仏教などキリスト教が半数を占めているのが特徴です。キリスト教では食べ物の決まりはほとんどありません。フランスにはキリスト教に特有の習慣があるため、習慣や祝祭日に配慮が必要となります。
フランスの年度と採用
フランスの会計年度は1月に始まり、12月に終わります。フランスでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。フランスの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。
また、インターンシップ制度が発達していることから、日本企業がフランスの理工学系や芸術系の人材を採用する際に活用されるケースもあります。
フランスのビジネス文化・労務観
フランスはワークライフバランス意識が非常に強く、残業・休日勤務・曖昧な指示には日本以上に敏感です。そのため、就業規則・評価制度・業務範囲を明確に文書で示すことがトラブル防止につながります。
上下関係よりも役割分担を重視し、意見交換の際も「建設的な批判」が歓迎される文化です。日本的な空気読み文化とは異なるため、コミュニケーション設計も重要です。
まとめ
フランス人を雇用する場合、技術・人文知識・国際業務などの在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。フランス人の言語はフランス語です。フランス人の宗教はキリスト教が大半であり、キリスト教の習慣に配慮する必要があります。フランス人の雇用は通年採用で考える必要があります。
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