就労ビザには期間の定めがあるため、期限が近付いたら更新の手続きを行わなければなりません。在留許可の更新が許可されることで、中長期的に安定して日本で暮らすことができるからです。ここでは、在留期間更新許可申請について説明していきます。
就労ビザを更新するための申請要件
就労ビザには期間の定めがありますので、在留期限を迎える前に延長手続きを行う必要があります。これを在留期間更新許可申請といい、正当な資格をもって日本在留を続けるためには不可欠な作業となります。もし更新手続きを行わず期限を迎えてしまった場合、そのときから不法滞在として強制的な退去の対象になるので、日本で働き続けるどころか在留そのものが不可能になってしまいます。
もし、外国人が不法滞在になってしまった場合、本人だけの問題に留まらず雇用元である企業も責任を問われることになります。不法滞在の外国人を雇用したとして、不法就労助長罪に問われ、3年以下の懲役か300万円以下の罰金、あるいはその両方が科せられる可能性も出てきます。この点に十分留意して、期限が来る前にきちんと在留許可の更新手続きを済ませるようにすることが大切です。
就労ビザ更新のための申請要件
では、どのような要件を満たせばビザ更新の申請を行うことができるのでしょうか。以下に満たすべき項目を挙げていきます。
就労ビザの適用範囲内で業務遂行していること
就労ビザが求める基準を満たしていること
更新申請時点までの素行が良好なこと
※犯罪歴がある場合や資格外活動許可なく他のアルバイトをしたような場合は、更新申請の要件に影響する場合がある。
在留期間中の納税義務を果たしていたこと
住居地の届出など法に基づく義務を果たしていたこと
今後の独立生計の維持が可能であること
- 労働条件および企業の雇用条件が日本人と同等に適正であること
- 社会保険に加入していること
在留資格更新のための在留期間更新許可申請書類
ここでは、最も一般的な就労ビザである技術・人文知識・国際業務の在留資格更新を例に、必要書類を一覧で整理していきます。外国人が転職せず同じ職場で勤務する場合と、転職により職場が変わる場合で、申請書類が変わりますので注意しましょう。
在留期間更新許可申請書類(転職なし)
【必要書類】
在留期間更新許可申請書
既定の写真
パスポート
在留カード
雇用元の企業カテゴリーを証明する書類(前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票など)
雇用元が発行する在職証明書
住民税の課税証明書および納税証明書
※申請者の状況により別途求められる書類が発生する可能性がある。
在留期間更新許可申請書類(転職あり)
あらかじめ、申請者本人か新しい職場、行政書士などが、入国管理局に対し新しい職場に関する就労資格証明書を申請し取得する必要があります。就労資格証明書を取得できたら、ようやく在留期間更新許可申請の準備が可能となります。
【在留期間更新許可申請のための必要書類】
在留期間更新許可申請書
既定の写真
パスポート
在留カード
雇用元の企業カテゴリーを証明する書類(前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票など)
就労資格証明書
※申請者の状況により別途求められる書類が発生する可能性がある。
在留期間更新申請の結果が不許可だった場合
在留期間更新申請の結果、不許可となってしまった場合は、速やかに日本から出国しなければなりません。現在保有する在留資格の期限が切れても日本に残っていた場合、強制退去の処分を受けることになります。不許可になる原因として以下のケースが多くみられますが、申請者本人か申請取次を行う行政書士が入国管理局に不許可の理由を尋ね、残る在留期間内に不許可になった点を改善することができるようであれば、再申請という方法も残されています。
【不許可になりやすい理由】
在留資格の要件を満たしていない
入管法など日本国の法律に違反した状態あるいは行為がある
提出書類に不備がある
提出書類の内容に整合性がない
前回申請時と今回申請の間に事実の相違がある
申請内容が虚偽である
在留期間中の素行が不良である
在留資格を満たすだけの活動を行った立証ができていないなど
まとめ
同じ職場で働くうえで就労ビザの更新手続きをする場合は比較的スムーズですが、転職により雇用元が変わる場合は手続きがやや複雑になります。転職した場合は、新規に就労ビザを申請するつもりで丁寧に書類を準備し、整合性の取れた内容をもって申請に臨みましょう。申請取次を行う行政書士に相談・依頼すれば申請者の負担も軽くなるはずですので、積極的にサポートを受けることもおすすめします。