留学生が持つ留学ビザでは就労することができず、資格外活動許可を得ている場合に限り週28時間までのアルバイトが可能です。就労するためにはビザの変更が必要になります。ここでは、留学生が在留資格を変更し就労するための要件や必要書類について説明していきます。

 

留学生の就労にあたり変更すべき在留資格とは

外国人留学生は、資格外活動許可を得ている場合に限り、週28時間までのアルバイトをすることができますが、正式に雇用され就労することは認められていません。そもそも留学ビザは、外国人が日本で教育を受けるための在留資格ですので、就労することは目的外となるからです。そこで、就労に向けて在留資格の変更を行う必要があります。留学生が就労するためには、ほとんどのケースで技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要になります。どのような職業が「技術・人文知識・国際業務」に該当するか、見ていきましょう。

 

在留資格「技術・人文知識・国際業務」に該当する代表的職業

単純労働と見なされる仕事では在留資格が認められませんので、留学生の専門分野で職に就くことが前提条件となります。

 

在留資格「技術」の代表的職業

  • プログラマー
  • システムエンジニア
  • アプリケーション開発者 など

 

在留資格「人文知識」の代表的職業

  • 営業
  • 経理
  • 総務 など

 

在留資格「国際業務」の代表的職業

  • 通訳
  • 翻訳
  • 外国語教師・講師 など

 

雇用側としても「外国人留学生を人材として求める理由」を明確にして入国管理局に理解してもらうことが大切になります。また、文系職種であれ理系職種であれ、留学生が専攻してきた学科・学習分野・学士の種類などと職種との間に強い関連性があることが前提条件となるので、あらかじめ理解しておきましょう。

 

雇用する企業が注意すべきこと

すでに外国の大学を卒業している留学生を雇用する場合

すでに外国の大学で学び卒業して学士を取得していたとしても、それは外国の大学での話です。入国管理局では、日本の大学で何を学びどのような専門分野を身に着けたかを重視する点に注意しましょう。なお、外国の専門学校で学んでいた場合、入国管理局の判断は「高卒と同等」になります。海外の3年生大学卒業者であれば、「短大卒と同等」と見なされるケースが多いといわれています。仮に外国で高等教育を受け卒業していたとしても、日本の大学をきちんと卒業し日本で学士を取得することを待つ方が無難です。

 

雇用契約の内容について

外国人留学生を雇用する場合は、日本人と同等の雇用条件を適用させる必要があります。給与に関しても、日本人と同等以上の金額を支払わなければなりません。

 

雇用企業の財政が健全であることが必要

雇用する企業として、その財政状況が健全であることが求められます。債務超過などの現状がある場合は、就労ビザの審査に影響する場合があるので、注意しましょう。なお、事業計画書を提出して、会社としての今後の活動予定や業績の見通しなどを入国管理局に提示することも大切です。

 

外国人留学生の在留資格変更手続きの準備

外国人留学生は、就職先が決まったらすぐに以下の書類を揃え、入国管理局に在留資格変更許可申請を行いましょう。最も一般的な「技術・人文知識・国際業務」の在留許可に変更する場合の必要書類を確認していきます。

 

【必要書類】

在留資格変更許可申請書

規定サイズの申請者の写真

採用理由書

職務内容説明書

申請者の履歴書

卒業証書など最終学歴の証明書

職歴がある場合はその証明文書

雇用企業の概要がわかる資料(登記事項証明書・企業パンフレットなど)

企業との雇用契約書

企業の職員について前年分の給与所得の源泉徴収票等法定調書合計表(受付印があるコピー)

申請者のパスポート提示

申請者の在留カード提示

※以上の書類は原則として必要になる提出書類であり、申請者により追加書類の提出を求められることがあります

※「技術・人文知識・国際業務」の在留許可がおりた場合は4,000円分の収入印紙が必要になります。

 

まとめ

外国人留学生の就職に際し、就労ビザの取得をできるだけスムーズにするためには、留学生が日本で学んだ分野と強い関連性を持つ職種で採用されることが求められます。日本で技術分野を学んできたのに、就労ビザの申請にあたり留学生の母国語を教える仕事に就く旨を記載すると、関連性がないと見なされて不許可になる可能性もあるからです。入国管理局の審査は一律ではなく申請者に対する個別評価となるので、できるだけつまづかずに許可を得られるよう、許可申請の専門家に相談して手続きを進めるようにしましょう

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