日本人とシンガポール人の国際結婚では、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。日本人どうしの結婚の場合と異なる点について解説します。
目次
シンガポールにおける婚姻の成立要件
シンガポールでは、男性・女性ともには２１歳から結婚することができます。シンガポールではイスラム教徒の女性の場合を除いて再婚禁止期間はなく、重婚は禁止されています。
日本人とシンガポール人の結婚の手続
日本人とシンガポール人が結婚する場合、日本の手続を先に行う方法とシンガポールの手続を先に行う方法があります。
シンガポールは「外国公文書の認証を不要とする条約」に加盟しているため、一般的に日本の公文書をシンガポールで提出する場合は、日本の外務省で認証（アポスティーユ）を受ける必要があります。ただし、書類の種類や提出先によって認証の扱いが異なる場合があるため、認証が必要な書類については、あらかじめ書類の提出先に確認しておくことが大切です。
日本の手続を先に行う方法
宣誓供述書の取得
日本にあるシンガポール大使館または領事館に宣誓供述書の発行を申請します。その際に次のような書類を提出する必要があります。結婚歴検索結果は、シンガポールの結婚登録所またはイスラム教結婚登録所で取得できます。
日本人が提出する必要がある書類
１ 有効な旅券（パスポート）
シンガポール人が提出する必要がある書類
２ 有効な旅券（パスポート）
３ 結婚歴検索結果
日本の手続
日本の役場に婚姻届を提出します。その際に次のような書類を提出する必要があります。出生証明書は、シンガポールの役場で取得できます。
日本人が提出する必要がある書類
１ 身分証明書
２ 戸籍謄本（本籍地以外で手続を行う場合）
シンガポール人が提出する必要がある書類
３ 有効な旅券（パスポート）
４ 宣誓供述書
５ 出生証明書
６ シンガポールの書類の日本語訳
シンガポールの手続
日本で婚姻届を提出することで、シンガポールにおいても有効に婚姻が成立します。ただし、日本で婚姻の手続をした場合、シンガポールでは婚姻登録されません。そこで、シンガポールの結婚登録所に婚姻登録を申請する必要があります。その際に次のような書類を提出する必要があります。
日本人が提出する必要がある書類
１ 婚姻届受理証明書
２ 戸籍謄本
３ 日本の書類のシンガポール公用語訳
シンガポールの手続を先に行う方法
婚姻要件具備証明書の取得
日本の法務局またはシンガポールにある日本大使館に日本の婚姻要件具備証明書の発行を申請します。その際に次のような書類を提出する必要があります。
日本人が提出する必要がある書類
１ 有効な旅券（パスポート）
２ 戸籍謄本
シンガポールの手続
シンガポールの結婚登録所またはイスラム教結婚登録所に婚姻登録を申請します。その際に次のような書類を提出する必要があります。続いて、結婚式を行うことで有効に婚姻が成立します。
日本人が提出する必要がある書類
１ 有効な旅券（パスポート）
２ 婚姻要件具備証明書
３ 日本の書類のシンガポール公用語訳
シンガポール人が提出する必要がある書類
４ 身分証明書
日本の手続
シンガポールの手続から３か月以内に日本の役場またはシンガポールにある日本大使館に婚姻届を提出することで、日本においても有効に婚姻が成立します。その際に次のような書類を提出する必要があります。日本大使館に婚姻届を提出するよりも日本の役場に提出する方が手続は早く終わります。
日本人が提出する必要がある書類
１ 身分証明書
２ 戸籍謄本（本籍地以外で手続を行う場合）
シンガポール人が提出する必要がある書類
３ 有効な旅券（パスポート）
４ 婚姻証明書
５ シンガポールの書類の日本語訳
まとめ
日本人とシンガポール人が結婚する場合、日本の手続を先に行う方法とシンガポールの手続を先に行う方法があります。日本の手続を先に行う場合は、日本で婚姻届を提出することでシンガポールでも有効に婚姻が成立します。シンガポールの手続を先に行う場合は、シンガポールで婚姻登録を申請して結婚式を行った後、日本で婚姻届を提出します。いずれの方法を選ぶかにより必要な書類は異なります。結婚の手続や必要な書類は変更される場合があるため、あらかじめ日本の市区町村役場やシンガポール大使館または領事館に確認しておくことが重要です。国際結婚の手続を行うときは、日本と外国それぞれの法律に従って手続を行う必要があり、在留資格の変更が必要となる場合もあるため、専門家の支援を受けることが大切です。当事務所では、日本人と外国人の国際結婚のお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
