日本人とベトナム人の国際結婚では、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。日本人どうしの結婚の場合と異なる点について解説します。
ベトナムにおける婚姻の成立要件
ベトナムでは、男性は２０歳、女性は１８歳から結婚することができます。ベトナムでは女性に６か月の再婚禁止期間があり、重婚は禁止されています。
日本人とベトナム人の結婚の手続
日本人とベトナム人が結婚する場合、日本の手続を先に行う方法とベトナムの手続を先に行う方法があります。
ベトナムは「外国公文書の認証を不要とする条約」に加盟していないため、一般的に日本の公文書をベトナムで提出する場合は日本の外務省で公印確認、ベトナム大使館または領事館で認証（領事認証）を受ける必要があります。ただし、書類の種類や提出先によって認証の扱いが異なる場合があるため、認証が必要な書類については、あらかじめ書類の提出先に確認しておくことが大切です。
日本の手続を先に行う方法
ベトナムの婚姻要件具備証明書の取得
日本にあるベトナム大使館または領事館にベトナムの婚姻要件具備証明書の発行を申請します。その際に次のような書類を提出する必要があります。婚姻届の不受理証明書は、日本の役場で取得できます。婚姻状況確認書は、ベトナムの人民委員会で取得できます。
ベトナム人が提出する必要がある書類
１ 有効な旅券（パスポート）
２ 住民票または外国人登録証明書
３ 婚姻届の不受理証明書
４ 婚姻状況確認書
日本の手続
日本の役場に婚姻届を提出します。その際に次のような書類を提出する必要があります。出生証明書は、ベトナムの人民委員会で取得できます。
日本人が提出する必要がある書類
１ 身分証明書
２ 戸籍謄本（本籍地以外で手続を行う場合）
ベトナム人が提出する必要がある書類
３ 有効な旅券（パスポート）
４ ベトナムの婚姻要件具備証明書
５ 出生証明書
６ ベトナムの書類の日本語訳
ベトナムの手続
日本の手続の後、日本にあるベトナム大使館または領事館に婚姻登録を申請します。その際に次のような書類を提出する必要があります。
日本人が提出する必要がある書類
１ 有効な旅券（パスポート）
２ 住民票
３ 婚姻届受理証明書
４ 日本の書類のベトナム語訳
ベトナム人が提出する必要がある書類
５ 有効な旅券（パスポート）
ベトナムの手続を先に行う方法
日本の婚姻要件具備証明書の取得
日本の法務局またはベトナムにある日本大使館もしくは領事館に日本の婚姻要件具備証明書の発行を申請します。その際に次のような書類を提出する必要があります。
日本人が提出する必要がある書類
１ 有効な旅券（パスポート）
２ 戸籍謄本
ベトナムの手続
ベトナムの人民委員会に婚姻登録を申請します。その際に次のような書類を提出する必要があります。健康診断書は、日本またはベトナムの指定された病院で取得する必要があり、日本の病院で取得した健康診断書については、日本の公証役場で公証人認証、日本の外務省で公印確認、ベトナム大使館または領事館で認証（領事認証）を受ける必要があります。
日本人が提出する必要がある書類
１ 有効な旅券（パスポート）
２ 日本の婚姻要件具備証明書
３ 健康診断書
４ 日本の書類のベトナム語訳
ベトナム人が提出する必要がある書類
５ 人民証明書
日本の手続
ベトナムの手続から３か月以内に日本の役場またはベトナムにある日本大使館もしくは領事館に婚姻届を提出することで、日本においても有効に婚姻が成立します。その際に次のような書類を提出する必要があります。日本大使館または領事館に婚姻届を提出するよりも日本の役場に提出する方が手続は早く終わります。
日本人が提出する必要がある書類
１ 身分証明書
２ 戸籍謄本（本籍地以外で手続を行う場合）
ベトナム人が提出する必要がある書類
３ 有効な旅券（パスポート）
４ 婚姻登録証明書
５ ベトナムの書類の日本語訳
まとめ
日本人とベトナム人が結婚する場合、日本の手続を先に行う方法とベトナムの手続を先に行う方法があります。日本の手続を先に行う場合は、日本で婚姻届を提出した後、ベトナム大使館または領事館で婚姻登録を申請します。ベトナムの手続を先に行う場合は、ベトナムで婚姻登録を申請した後、日本で婚姻届を提出します。いずれの方法を選ぶかにより必要な書類は異なります。結婚の手続や必要な書類は変更される場合があるため、あらかじめ日本の市区町村役場やベトナム大使館または領事館に確認しておくことが重要です。国際結婚の手続を行うときは、日本と外国それぞれの法律に従って手続を行う必要があり、在留資格の変更が必要となる場合もあるため、専門家の支援を受けることが大切です。当事務所では、日本人と外国人の国際結婚のお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
