国際結婚をしたものの、いざ日本での配偶者ビザを申請してみると不許可になってしまったという事例は少なくありません。ここでは、ビザ申請が不許可になってしまう原因や再申請について説明していきます。
国際結婚のビザ申請で不許可を招く3つの理由
国際結婚後のビザ申請で不許可になりやすい理由について考えてみましょう。実務ではいろいろな要素が原因となりますが、特に次の三点は不許可事由として多くみられます。
偽装結婚の可能性を疑われる
本人たちはきちんとお付き合いを経て国際結婚にいたったとしても、入国管理局がそれを納得しなければ配偶者ビザはおりません。入国管理局を納得させにくい原因としては、夫婦の背景に以下のような背景があるケースが多いようです。
- 出会いの場がインターネット上である(出会い系サイト・SNSなど)
- 年齢差が開いている
- 結婚までの交際期間が短すぎる
夫婦が真剣交際を経て結婚にいたったのであれば、その経緯を細かく記した文書や交際の記録などを添付して申請を行うことも大切です。
日本人の経済力に不安がある
外国人配偶者を日本に迎え居住させるためのビザを申請するのですから、日本人側に相応の資力が求められるのは自然なことです。入国管理局が参考にするのは課税証明書などの収入証明書類や確定申告書ですので、十分と思われる収入額に達してからビザ申請を行う、ということも検討する必要があるでしょう。
外国人配偶者の素行に問題がある
外国人による犯罪や不法滞在、不法就労事例などが数多くみられる現状では、外国人配偶者の素行に問題がないか厳しく審査されます。このような場合は、行政書士に依頼し個別にしっかりと対策を練ってからビザ申請に臨む必要があるでしょう。
国際結婚のビザ申請における再申請の注意点
入念な準備を経ても、ビザ申請が不許可になってしまうケースは多々みられます。こういった場合、次にとれる策は再申請になってきます。
入国管理局に不許可事由を確認する
不許可になってしまったら、まずは入国管理局に対してその理由を確認してみましょう。その際、以下の書類を用意し直接入国管理局まで出向く必要があります。
身分証明書(日本人なら運転免許証など・外国人配偶者ならパスポートなど)
不許可の通知書
不許可の理由は非公開ではないためきちんと教えてもらえます。不許可の理由に対する質問や疑問がある場合も対応してもらえます。不許可事由の確認は、残された策である再申請のための重要な参考情報になってくるでしょう。ただし、すべての情報が公開されるかどうかは、審査官の判断に委ねられているところもあるので、あらかじめ理解しておくことが大切です。
不許可後の再申請が通る可能性について
入国管理局への確認を含め、国際結婚した外国人配偶者に何らかの原因があることがわかった場合、その点を改善しない以上、再申請が通る可能性は低いとみられています。ただし、夫婦の交際状況や日本人の収入額などが原因だった場合などは、以下のような対策をとることによって再申請が許可される可能性も考えられます。
【夫婦の交際状況説明が不十分だった場合】
出会ってから交際し、結婚にいたるまでの経緯を詳細に書面化する作業は優先して行いましょう。同時に、お互いの国を訪問しあってきた履歴や交際に伴う連絡記録を添付することも有効です。
【日本人の収入が不十分だった場合】
前年度の収入額が不十分だった場合、これを改善するには翌年度の収入額を増やすしかありませんが、それは決して簡単なことではありません。そこで、日本人の家族や親族による経済的支援を取り付けたり十分な貯蓄があることを証明したりして、夫婦が問題なく生活を営むことができる旨を証明するといいでしょう。
まとめ
配偶者ビザの申請が不許可になるケースは決して少なくありません。このため、もし不許可になってしまった場合は、再申請に向けた準備をしっかりと行うことが非常に重要になってきます。なぜ不許可になったのかその理由を明らかにし、対策を講じたうえで再申請に臨まなければ、再び不許可となってしまう可能性がとても高いからです。このようなときこそ、行政書士の力を借りて、再申請にかかわるアドバイスを得たり再申請の準備に関してサポートを受けたりするべきでしょう。外国人配偶者のビザ取得はとても大事な問題だからこそ、専門家の存在がカギになってくるのです。当事務所でもご相談をお受けしていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。