昨今では結婚に対する考え方も非常に自由になり、年齢差があっても結婚するケースが多くなっているといえます。ただし、国際結婚においては、外国人配偶者の在留資格の問題から、年齢差がハードルになってしまうこともあるのです。ここでは、年齢差のある国際結婚の在留資格問題について説明していきます。
年齢差が大きいと在留資格の取得に影響することも
国際結婚において年齢差が大きいカップルは比較的多く、一回りやそれ以上離れたカップルが夫婦になることは珍しくありません。日本における婚姻届けも、年の差婚かどうかにかかわらず、きちんと必要事項を記入していれば受理してもらえます。しかし、問題は日本の配偶者ビザの申請であり、年の差が大きければ大きいほど審査ではネガティブな評価を受けてしまいがちな事実があるのです。
例えば15歳以上年の離れた夫婦の場合、配偶者ビザの審査はより厳しくなるといわれています。真面目な交際を経て結婚した夫婦であったとしても、第一に偽装結婚を防ぐため、容易にビザ取得とはいきません。日本人同士の夫婦でも年齢差があれば世代間ギャップが生じるものですが、外国人が相手だと習慣や文化の違いもマイナス要素になり得ると捉えられてしまうようです。
年齢差のある国際結婚で配偶者ビザを認めてもらうための工夫
では、年齢差がある国際結婚で配偶者ビザを取得するには、どうすればいいのでしょうか。審査官に認めてもらいビザを発行してもらうための工夫として、以下のことが挙げられます。
結婚までの背景を詳細に明らかにする
年の差婚が偽装結婚を疑われる原因になりやすいのであれば、自分たちの真剣な交際の経緯を明らかにしていくことも方法のひとつです。例えば、次のような事柄を詳細に説明できるよう、二人で話し合って整理しておくといいでしょう。
- 出会った場所
- 交際を始めた理由
- 友人の紹介ならばその友人の素性
- 結婚を決めた理由
このほかにも、そもそもなぜ年の差がありながら交際にいたったのか、についても説明できるようにしておくといいでしょう。恋愛は言葉だけで説明するのが難しいものですが、配偶者ビザ取得のためにも、二人でよく経緯を思い出し確認しあうことが大切です。
どのように異国人同士のコミュニケーションを図ったかを明らかにする
人間同士の付き合いはコミュニケーションあってこそ成り立つものです。偽装結婚では互いのコミュニケーション力に問題があるケースが多くみられることからも、自分たちがどのように信頼関係を築き上げていったか整理しておくといいでしょう。夫婦どちらかの外国語能力を示す外国語試験の結果を根拠としてもいいですし、国籍は違うが二人とも日本で育ったため日本語に支障がないなど、二人のコミュニケーション能力を裏付けるような背景を説明できると望ましいかもしれません。
交際中であったことを示す写真やメールなどの履歴を提示する
二人が実際に交際してきたことを示すような写真やメールなどの履歴を提示できれば、審査官にとっては大きな判断材料となるでしょう。旅行写真やメール・SNSの履歴などを整理しておき、ビザ申請時に付属書類としても提出するのもいいかもしれません。
互いの家族に会っていることを示す写真や連絡の履歴などを提示する
二人の交際経緯を証明することも大切ですが、互いの家族に会ったことがあるという事実も、審査官の判断材料となり心証を左右する理由となる可能性があります。例えば、結婚に先立って互いの親を訪れたときの写真や、夫婦と親とのコミュニケーションを示すメール・SNSのやり取りなどがそうです。結婚が互いの親にも認められていると示すことができれば、偽装結婚の疑いを晴らす一つの材料となるでしょう。
まとめ
ここでは、夫婦間に年齢差がある国際結婚における配偶者ビザ申請の対策について説明してきました。偽装結婚を疑われないための最大の証拠は、出会いから交際、結婚、互いの両親や友人などとのコミュニケーションや、互いの外国語能力の証明などであるといえます。用意できる証拠資料をできるだけ集めて時系列で整理し、審査官の審査をフォローできるように心がけることも、配偶者ビザ申請においてはとても大切なこととなってくるのです。
当事務所では、国際結婚におけるビザ申請のご相談を承っていますので、もしお困りのことがあればぜひお気軽にご連絡ください。ビザ取得を現実のものとできるよう、お力になることができれば幸いです。