スイスは自治体の集まりによる国家であるため、アメリカの州のように自治体権限が非常に強いといわれています。また、申請者により必要書類が変わるなど、手続き内容は必ずしも一律ではないようです。ここでは、スイスにおける原則的な国際結婚の手続きについて説明していきます。

 

先に日本で婚姻に関する手続きを行う場合

スイス人との婚姻手続きには、スイス人の婚姻要件具備証明書が必要ですが、取得のためにはまず日本人の婚姻要件具備証明書を法務局で入手しなければなりません。その後、以下の書類を在日スイス大使館か本国に申請し、スイス人の婚姻要件具備証明書を取得します。

 

【日本人】

戸籍謄本

住民票

婚姻要件具備証明書

【スイス人配偶者】

パスポート

住民票

 

日本に対する婚姻手続き

以下の書類を揃えて、日本国内の役所に提出します。自治体によっては求められる書類が変わる可能性もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

 

【日本人】

婚姻届

【スイス人配偶者】

婚姻要件具備証明書(要和訳)

出生証明書(要和訳)

パスポート

在留カード

 

スイスに対する婚姻手続き

日本国内の役所に婚姻届けを提出し、婚姻届受理証明書を取得します。婚姻届受理証明書は、日本の外務省から認証(アポスティーユ)を受け、在日スイス大使館へ提出します。これにより、スイス側でも婚姻の事実が登録され手続きが完了します。

 

先にスイスで婚姻に関する手続きを行う場合

まずは日本人の婚姻要件具備証明書を取得する必要があるので、日本国内の法務局に以下の書類を提出し、婚姻要件具備証明書を受け取ります。書類に不備がなければ、申請翌日には発行となります。

 

【日本人】

申請書

日本人の戸籍謄本

身分証明書(パスポートや運転免許証など)

認印

 

スイスに対する婚姻手続き

現在日本に居住している場合は、在日スイス大使館もしくは領事館に対して婚姻の手続きを行います。すでにスイスに渡り現地で生活している場合は、現地の戸籍役場に対して手続きを行います。

 

■在日スイス大使館または領事館で手続きする場合

在日スイス大使館もしくは領事館へ以下の書類を持参し、婚姻締結の準備のための申請書婚姻要件に関する宣言書の両方に必要事項を記入し提出します。基本的には二人揃って出頭しますが、事情により日本人が一人で申請を行っても受け付けられます。

 

【日本人】

戸籍謄本

住民票

婚姻要件具備証明書

※すべて日本の外務省からアポスティーユ認証を受けていること

パスポート

【スイス人配偶者】

パスポート

住民票

身分証明書(PersonenstandsausweisCertificat individuel détat civil

 

なお、日本人が一人で手続きする場合は、スイス人配偶者のパスポートコピー、現住所のわかるもの、出生地のわかるものを持参する必要があります。

 

■現地スイスで手続きする場合

ここまでの手続きが済んだら、市民婚であれば住んでいる地域の民事登録事務所に結婚式の予約を入れ、挙式を執り行います。挙式が終わった後は同地域の戸籍役場で婚姻証書を取得しましょう。

 

日本に対する手続き

婚姻証書を日本の外務省に提出してアポスティーユ認証を受けたら、日本国内の役所か在スイス日本大使館に、以下の書類を提出します。

 

【提出書類】

婚姻届

婚姻証書(要和訳・書式あり)

戸籍謄本(日本人)

婚姻証明書(原本及び和訳)

スイス人配偶者のパスポート(要和訳)

スイス人配偶者の戸籍謄本

スイス人配偶者のパスポート

スイス人配偶者の滞在許可証

 

以上をもって、日本に対する手続きも完了します。

 

まとめ

冒頭にも述べた通り、スイスは自治体によって求められる書類が変わってくる可能性があります。また、個々人により提出すべき書類が同一とは限りません。このため、常に最新の情報を事前に入手するよう努める必要があります。

 

スイスにおける手続きは自らすべて行う必要がありますので、現地の家族などに協力してもらいましょう。日本における手続きについては、法律の専門家にサポートをお願いすると、煩雑な作業を省略できたり負担がそのぶん軽くなったりすることが予想されます。ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。

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