アメリカ人配偶者との結婚において、日本国内で手続きを行うためにはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。ここでは、日本でアメリカ人との婚姻届を受理してもらうまでの手続き流れと婚姻可能年齢について説明していきます。
日本の役所に提出が必要な書類
日本国内でアメリカ人配偶者との婚姻届を提出するためには、次に挙げるような書類が必要となります。またアメリカ本国への報告義務があるかどうかについても確認してみましょう。
日本の役所に提出すべき書類
【日本人】
婚姻届(日本人同士の結婚時と同じもの)
本人を確認できるもの(運転免許証など)
戸籍謄本(本籍地以外の場所で婚姻届を出す場合のみ)
【アメリカ人】
パスポート
宣誓供述書および日本語訳
※宣誓供述書は、アメリカ人が日本に居住している場合は在日アメリカ大使館か領事館で取得できます。アメリカに居住している場合は州の公証役場で書類を取得することになります。
以上の書類を揃えて日本の役所に提出したら、婚姻関係が成立します。日本国内で正式に手続きが完了すれば、アメリカでも夫婦として正式に認められることから、在日本アメリカ大使館か領事館に別途結婚の報告や手続きを行う必要はありません。
遵守すべきアメリカの法律と年齢要件
アメリカにおいてアメリカ人と結婚するときは、居住する州の州法に則って婚姻の手続きを行いますが、日本で手続きし日本に居住する場合は日本国内における婚姻手続きのみで正式な夫婦となることができます。
婚姻要件具備証明書とは
アメリカ人に求められる婚姻要件具備証明書は、居住する州の州法に基づき本人が婚姻可能な年齢であることや結婚が法律で阻害されるものではないことを証明するものです。在日アメリカ大使館か領事館に夫婦揃って出頭し、以上のことを宣誓し認められると、「Affidavit」とよばれる宣誓供述書が発行され、これが日本における婚姻要件具備証明書となります。
もし、アメリカ人配偶者の来日が難しい場合は、本人が居住する州の公証役場で宣誓供述書を取得すればいいので、現地で当該書類を入手できる場合は来日して大使館や領事館に出頭する必要はありません。
アメリカ人の婚姻可能年齢は州法に基づく
婚姻要件具備証明書となる宣誓供述書は、本人が婚姻可能な年齢であることを証明する役割も果たします。アメリカでは居住する州の州法が基軸となり、以下のように州によって婚姻可能な年齢が変わってくるのです。
- 男女ともに17歳以上(ネブラスカ州)
- 男性17歳以上・女性15歳以上(ミシシッピ州)
- 男女ともに18歳以上(その他すべての州)
- ※両親あるいは裁判所が認めれば、婚姻可能年齢に達していなくても結婚できる州がある
なお、日本における婚姻可能年齢は男性18歳以上・女性16歳以上です。このため、アメリカの州法で男性17歳以上・女性15歳以上の結婚が認められていたとしても、日本では許可されません。したがって、実際に結婚が可能なのは、ネブラスカ州やミシシッピ州出身の相手であれば日本の基準に合わせることになり、それ以外の州であれば基本的にアメリカ側の「男女とも18歳以上」という条件にしたがうことになります。
まとめ
以上のことから、日本で婚姻関連手続きを行う場合は、別途アメリカ側での手続きは不要であることがわかります。日本で婚姻が成立したことをもって、アメリカでも正式な夫婦として認められるためです。手続きが完了してしばらくすると、戸籍謄本にも婚姻関係が記載されますので、証明書も取得することができます。
次の段階として必要になるのが、配偶者ビザの取得手続きになり入管とのやり取りが発生しますが、実はこの段階が複雑であるといわれています。煩雑な婚姻届だけでなく先々のビザ取得まで見据えれば、法律の専門家によるサポートを受けることが望ましいといえるでしょう。