外国人が日本で旅行会社を設立したい場合はビザの問題をクリアしなければなりません。該当するのは「経営・管理ビザ」です。ここでは、日本における旅行業の概要と経営・管理ビザ申請要件などについて説明していきます

 

旅行会社設立は旅行業の選択から

日本人か外国人かにかかわらず、日本で旅行会社を経営するためには旅行業の登録を行う必要があります。旅行業には6つの種類があるため、それぞれの特徴について理解し、どの分野を選択するか決定してから会社設立に進みましょう。

 

1種旅行業

国内外問わずすべての旅行を取り扱うことができます。

  • 募集型企画旅行(海外)
  • 募集型企画旅行(国内)
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行

 

2種旅行業

募集型企画旅行(海外)以外の旅行を取り扱うことができます。

  • 募集型企画旅行(国内)
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行

 

3種旅行業

募集型企画旅行は条件内においてのみ実施可能です。

  • 募集型企画旅行(営業所の隣接市町村などに限る)
  • 受注型企画旅行
  • 手配旅行

 

地域限定旅行業

旅行業務は条件内においてのみ実施可能です。

  • 募集型企画旅行(営業所の隣接市町村などに限る)
  • 受注型企画旅行(営業所の隣接市町村などに限る)
  • 手配旅行(営業所の隣接市町村などに限る)

 

旅行業者代理業

独自の旅行商品を取り扱うことはできず、他社の旅行商品の代理販売のみ行いますので、売上は旅行会社からの手数料となります。代理できるのは契約を結んだ旅行会社1社に限られ、当該旅行会社に「所属」する形をとって販売活動を行います。

 

旅行サービス手配業

他の旅行業と異なり、旅行サービス手配業の契約相手は旅行会社となります。この点において、第1種、第2種、第3種旅行業者とは大きく異なっています。主な業務には宿泊先や移動手段などの手配があり、旅行会社は旅行サービス手配業に対して手配を依頼するのです。

 

旅行会社設立に必要な経営・管理ビザの要件とは

日本で旅行会社を設立し経営しようとする場合、外国人は経営・管理ビザを取得する必要があります。経営・管理ビザの申請要件は以下のとおりです。

 

事業用として独立した事業所を確保していること

  • 個人宅の事業所併用は認められない
  • 事業所として使う物件の購入あるいは賃貸借契約をすでに済ませていること
  • 使用目的が旅行業における営業所や事務所であること
  • 電話やパソコンなどの設備を整えていること など

 

常勤従業員を2名以上雇用するか500万円以上の資本金または出資を確保していること

外国人を雇用する場合、その在留資格が永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者であることが求められます。

 

安定的かつ継続的な事業活動の見込を示す事業計画書を提示できること

事業計画書により以下のことを明確に説明できることが求められます。

  • 事業の継続性
  • 事業の安定性
  • 事業の適正性
  • 経営・管理への実質的な従事の可能性

 

事業計画書という限られた資料をもって審査されますので、必要なことをもれなく簡潔に伝えることができるよう、専門家のサポートも受けながら準備を進めていくことをおすすめします。

 

経営・管理に関する経験を3年以上有していること

事業の管理者として従事する場合は3年以上の経営・管理業務経験が不可欠です。

 

日本人と同等以上の報酬を得ること

日本における就労で日本人と報酬の差が生じないように気を付けましょう。日本人と同等以上の報酬が支払われることが大前提です。

 

以上の要件を満たし申請が認められれば、経営・管理ビザのもとに晴れて会社を立ち上げることができます。続いて行うのは旅行業としての登録です。以下で流れを確認しておきましょう。

旅行業開始までの流れ

北海道で旅行業の登録を行う場合、北海道知事宛に申請することになります。以下を参考に手続きの流れを把握しておきましょう。

  1. 北海道知事への申請
  2. 申請書類作成・準備
  3. 申請前の相談
  4. 北海道知事宛てに申請書類を提出
  5. 北海道の担当窓口で受け付けて審査開始
  6. 北海道の担当窓口から登録の通知
  7. 旅行業新規登録手数料納付
  8. 営業保証金を供託するか、旅行業協会に加入する場合は弁済業務保証金分担金を納付
  9. 供託書または弁済業務保証金分担金納付書の写しを提出
  10. 店舗内に登録票・約款・料金表を掲示し営業開始

 

まとめ

外国人が日本で旅行会社を設立し運営していくためには、会社の設立経営管理ビザへの変更旅行業の登録申請という3つの重要な手続きをこなしていかなければなりません。それぞれ複数の法律にまたがる事柄であり、要件や申請手続きも複雑であることから、積極的に行政書士への相談・依頼を検討するといいでしょう。当事務所としても事業のスタートに向けてしっかりとサポートしていきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください

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