日本に在留している外国人が一時的に日本を出国して再び入国する場合どのような手続をする必要があるのでしょうか。

再入国許可とは

再入国許可は、日本に在留する外国人が一時的に出国して、再び入国する際の上陸手続を簡略化することを認めるものです。外国人は出国する際にあらかじめ再入国許可を受けておくことで、再び入国する際の上陸手続では査証を取得・提出する必要がなくなります。再入国許可には、1回の再入国に限り有効なものと、有効期間内の複数回の再入国に使用できるものがあります。再入国許可の有効期間は、在留期間までの最長5年特別永住者の場合は6年)となります。(出入国在留管理庁「再入国許可申請」)

再入国許可を受けずに出国した場合

外国人が再入国許可を受けずに出国した場合は、それまでの在留資格や在留期間は消滅します。外国人が日本に再び入国しようとすると、改めて在留資格認定証明書を取得して査証を申請するところから手続をやり直す必要があります。

再入国許可申請の手続

再入国許可申請は、申請人、法定代理人、申請等取次者(弁護士または行政書士、親族または同居者等を含む)が、出入国在留管理局に申請書、申請内容に応じて異なる必要書類を提出して行います。標準処理期間は、当日とされています。

申請提出者

法定代理人

申請人が18歳未満の場合は、親権者または未成年後見人、申請人が成年被後見人の場合は、成年後見人が法定代理人として申請を提出できます。

申請等取次者

地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けた、雇用機関、教育機関、監理団体、公益法人、旅行業者の職員は、申請人からの依頼を受けた場合に申請等取次者として申請を提出できます。

弁護士または行政書士

地方出入国在留管理局長に届出をした弁護士または行政書士は、申請人からの依頼を受けた場合に申請を提出できます。

親族または同居者等

申請人が16歳未満の場合や申請人が疾病その他の事由により自ら出頭することができない場合、申請人の親族または同居者もしくはこれに準ずる者で地方出入国在留管理局長が適当と認める者は、申請を提出できます。適当と認める者には、医療滞在の同行者、刑事施設・児童相談所・婦人相談所の施設の職員、老人ホーム等の職員、教育機関等の職員、児童養護施設等の職員などが当たります。

申請手続の流れ

再入国許可申請は次のような流れで行います。

1 申請人は、申請書とその他の申請に必要な書類を作成・収集します。

2 申請人は、作成・収集した書類を出入国在留管理局に提出するか、在留申請オンラインシステムを利用して申請します。

3 出入国在留管理局は、提出された書類をもとに審査を行い、必要に応じて追加の書類の提出を求める場合があります。

4 出入国在留管理局は、申請人に審査結果の通知を行います。申請が許可された場合、申請人は出入国在留管理局で旅券に再入国許可を受けることができます。申請人が無国籍である、またはその他の事由で旅券を取得できないため、有効な旅券を所持していない場合は、旅券の代わりとして再入国許可書を受け取ることができます。

5 申請が不許可となった場合、申請人は出入国在留管理局で不許可となった理由の説明日本語で1回のみ受けられます。不許可となった理由は、再び申請をするときに改める必要があるため、申請に用いた書類の控えを残しておき、どのような理由で不許可となったのか調査できるようにしておく必要があります。不許可の理由の説明は、不許可の判断に対する不服申立の手続ではないため、申請人が不服を主張しても不許可の判断が覆ることはありません。

※ 在留申請オンラインシステムを利用した再入国許可申請は、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限り可能です。

再入国許可申請の要件

再入国が認められるためには、次の要件を満たす必要があります。

1 現に収容令書の発付を受けている者でないこと。

2 その他再入国許可することが適当でないと認められる者でないこと。

申請に必要となる書類

再入国許可申請には再入国許可申請書が必要となります。その他にも申請内容に応じて異なる書類が必要となります。

みなし再入国許可とは

一定の条件を満たす外国人は、出国から1年以内に再び入国する場合に、原則として再入国許可がなくても再入国でき、これをみなし再入国許可といいます。

外国人がみなし再入国許可を受けるには、3か月以下の在留期間の在留資格または短期滞在の在留資格ではないこと、有効な旅券を所持していること、中長期の在留資格の場合は在留カードを所持していることが必要です。みなし再入国許可の有効期間は、出国の日から1年(特別永住者の場合は2年)または在留期間までの短い方となります。

次の場合はみなし再入国許可の対象とはなりません。

1 在留資格取消手続中の者

2 出国確認の留保対象者

3 収容令書の発付を受けている者

4 難民認定申請中の特定活動の在留資格をもって在留する者

5 日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者

みなし再入国の手続

みなし再入国は、申請人が出国する際に、再入国出入国記録(EDカード)の再入国予定をチェックして入国審査官に提出して行います。

まとめ

外国人が通常の上陸手続よりも簡略化された手続で再入国するには、再入国許可申請を行う、または、みなし再入国許可を受ける必要があります。当事務所では、外国人の在留手続を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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