日本で活動しているボリビア人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、ボリビア人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
日本に在留しているボリビア人
2022年12月の時点で、日本には約6千人のボリビア人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では27番目に多く、南アメリカの国・地域の中では3番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。
日本に在留しているボリビア人を年代別に見ると、20代が約13%、30代が約18%、40代が約18%、50代が約17%、60代が約7%などとなっています。60代以上は少なくなりますが、特定の世代に偏ることなく、幅広い世代が在留していることが分かります。
ボリビア人が取得している在留資格
日本に在留しているボリビア人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格はとても少なく、合計しても100人未満となっています。
就労不可能な活動資格では、留学(約200人)、居住資格では、永住者(約3千人)、定住者(約3千人)、日本人の配偶者等(約500人)などとなっています。ボリビアは日系人が多いことから、定住者が多いのが特徴です。
定住者や永住者が多い理由
ボリビア人は、戦前・戦後に日本から移住した日系人が多い国の一つであり、その子孫が日本へ帰国し定着するケースが多く見られます。こういった背景から、就労可能な「定住者」や「日本人の配偶者等」「永住者」を取得する割合が高いと考えることができそうです。
特に、日系人の定住者資格は職種制限を受けることなく、工場・製造業・物流・介護・建設など幅広い分野で就労できます。
「二国間の協力覚書(二国間協定)」について
二国間協力覚書とは、日本政府と他国政府の間で締結される、特定の在留資格に関する協力・連携の枠組みです。覚書の内容は在留資格によって異なりますが、現在、日本で最も制度運用上重要なのは以下の分野です。
特定技能に関する二国間協力覚書
在留資格「特定技能」は、日本の人手不足分野で外国人労働者を受け入れるために設けられた制度です。この制度を運用する際、海外の送り出し国と 二国間協力覚書(MOC) を締結することがあります。
この覚書は、受入れと送り出しを円滑かつ適正に行うための 政府間の取り決め です。
二国間協力覚書の目的
二国間協力覚書の主な目的は次のとおりです。
- 特定技能外国人の 送出し手続きと支援体制の整備
- 雇用と在留に関する 情報共有と相談体制の確保
- 不正な仲介やブローカーに対する 規制と対策
- 人材受入れのプロセスを 両国の国内法と調和させる枠組みの確立
覚書がある国と実務
二国間協力覚書は、以下のような国々と結ばれています(締結国は増減する可能性があります)。
フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド、マレーシア、ラオス、キルギス、タジキスタンなど
各国との覚書にはそれぞれその国特有の手続きが設けられていて、在留資格認定証明書申請時に現地の送出し手続き証明が必要になる場合があります。
覚書がない国でも受入れは可能
二国間協力覚書が締結されていない国であっても、特定技能外国人を受け入れることは可能です。覚書の有無は必須要件ではなく、追加的な送出し手続きを簡素化したり、ルールを明確にするための枠組みにすぎません。
技能実習制度に関する協力覚書
在留資格「技能実習」についても同様の 二国間取決め(協力覚書)が存在しており、適正な実習の実施や支援体制について両国で連携を図っています。
ボリビアは覚書の対象国ではなく、ボリビア人技能実習などによる新規受入れはそこまで多くはないのが現状です。しかし、ボリビア国内大学卒業者の一部には、技術・人文知識・国際業務に関連する職場への就労例もあります。
ボリビア人の雇用で注意するポイント
ボリビア人を雇用するうえで注意すべきポイントを確認しておきましょう。
ボリビアの民族構成と言語
ボリビアは、南アメリカにあり、人口は約1200万人です。ボリビアは先住民族とメスティソ(白人と先住民の混血)などから成る多民族国家で、ボリビア人の民族構成は、約30%がメスティソ、約30%がケチュア族、約25%がアイマラ族、約15%が白人などとなっています(外務省「ボリビア基礎データ」)。
ボリビアの公用語はスペイン語、ケチュア語、アイマラ語、グアラニー語です。識字率は約90%と高い水準にあります。ボリビア人を雇用する場合は、通常はスペイン語でコミュニケーションをとることが考えられます。
ボリビアの宗教
ボリビア人の宗教は、約63%がカトリック、約22%がプロテスタント、約9%が無宗教などキリスト教が大半を占めているのが特徴です。キリスト教では食べ物の決まりはほとんどありません。ボリビアにはキリスト教に特有の習慣があるため、習慣や祝祭日に配慮が必要となります。
ボリビアの年度と採用
ボリビアの会計年度は1月に始まり、12月に終わります。ボリビアでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。ボリビアの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。
日本企業における受入時の注意点
ボリビア人を受け入れる際、日本企業は以下の点について配慮することも検討してみましょう。
日本文化と南米文化の違い
南米文化の特性として、時間感覚・指示伝達・報連相のスタイルが日本と異なるため、職場での事前説明が重要になってきます。
多世代構成が目立つ
日本に在留するボリビア人は世代幅が広く、永住化している家族単位の在留も多い
在留資格変更の流入経路の特徴
在留資格「留学」で入国し、卒業後は「技術・人文知識・国際業務」ビザで就労、その後日本人と結婚して在留資格「日本人配偶者等」を取得する、といった流れが多くみられます。
まとめ
ボリビア人を雇用する場合、就労可能な活動資格で入国するボリビア人は少ないため、定住者など日本に居住しているボリビア人から人材を確保することが考えられます。ボリビア人の言語はスペイン語です。ボリビア人の宗教はキリスト教が大半であり、キリスト教の習慣に配慮する必要があります。ボリビア人の雇用は通年採用で考える必要があります。
当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。








