外国人をアルバイトとして雇用する場合、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。

外国人をアルバイトとして雇用するには

外国人が日本で行うことができる活動は、在留資格ごとに決められています。外国人が在留資格で認められない活動を行うことは、原則として許されません。そのため、外国人をアルバイトとして雇用する場合は、アルバイトで行わせる業務が在留資格で認められる活動の範囲内に含まれることが必要です。外国人が在留資格で認められない業務を行うと、不法就労として刑事処罰および退去強制の対象となります。また、外国人をアルバイトとして雇用して不法就労させた雇用主も不法就労助長として刑事処罰の対象となります。

在留資格を確認する

外国人をアルバイトとして雇用する際には、外国人に行わせようとしている業務が、在留資格で認められる活動の範囲内に含まれていることを在留カードで確認する必要があります。また、外国人の在留資格と併せて、在留期間が経過して不法滞在になっていないことも確認する必要があります。

居住資格

外国人が次の居住資格をもつ場合は、原則として活動に制限がなく専門的な知識や技能を必要としない単純労働を行うことも認められるため、アルバイトとして雇用することができます。

1 永住者

2 日本人の配偶者等

3 永住者の配偶者等

4 定住者

就労可能な活動資格

外国人が原則として就労可能な活動資格をもつ場合は、在留資格で認められた範囲内の副業という形であれば、アルバイトとして雇用することができます。ただし、単純労働については行うことが認められていないため、資格外活動許可を取得する必要があります。例として、技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得して通訳をしている外国人をアルバイトの通訳として雇用することはできますが、飲食店やコンビニのアルバイトの店員として雇用することは資格外活動許可がないとできません。なお、特定技能、技能実習の在留資格では資格外活動許可を取得することができません。

特定活動

外国人が特定活動の在留資格をもつ場合、外国人ごとに行うことができる活動が指定されます。指定された活動の内容は、旅券(パスポート)に添付された指定書で確認することができます。特定活動の在留資格は、資格によって雇用できる場合とできない場合があります。例として、特定活動(ワーキング・ホリデー)の在留資格をもつ外国人をアルバイトとして雇用して単純労働を行わせることはできますが、特定活動(EPA看護師・介護福祉士)の在留資格をもつ外国人をアルバイトとして雇用することはできません。

就労不可能な活動資格

外国人が原則として就労不可能な活動資格をもつ場合は、原則として就労が認められないため、アルバイトとして雇用することもできません。ただし、資格外活動許可を取得した場合は、アルバイトとして雇用することができます。なお、短期滞在、研修の在留資格では資格外活動許可を取得することができません。

1 文化活動

2 留学

3 家族滞在

資格外活動許可をもつ外国人を雇用する

外国人に行わせようとしている業務が、在留資格で認められる活動の範囲内に含まれない場合や、在留資格で単純労働を行うことが認められない場合は、資格外活動許可があることを在留カードと旅券(パスポート)で確認する必要があります。

外国人をアルバイトとして雇用して、単純労働を行わせる場合は、資格外活動許可のうち包括許可が必要になります。この場合、業務を行わせることができるのは、残業など時間外活動を含めて1週間あたり28時間までに限られることに注意する必要があります。なお、外国人が留学の在留資格をもち、夏休みなどの長期休業期間中の場合は、1日あたり8時間まで業務を行わせることができます。外国人が複数のアルバイトをしている場合、それらの活動時間の合計が1週間あたり28時間以内または1日あたり8時間以内である必要があります。そのため、外国人をアルバイトとして雇用する際には、他にアルバイトをしていないか、他にアルバイトをしている場合どれくらいの時間活動しているかを確認する必要があります。

外国人に活動時間の上限を超える業務を行わせる場合は、個別許可が必要になります。この場合、活動時間の制限はありませんが、包括許可の範囲外の活動または在留資格の範囲内の活動に限り行うことができます。

外国人を雇用した場合の手続

外国人をアルバイトとして雇用した場合は、ハローワークへ外国人雇用状況届出書を提出する必要があります(厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」)。

まとめ

外国人をアルバイトとして雇用する場合は、外国人のもつ在留資格や資格外活動許可、在留期間を確認することが重要です。在留資格や資格外活動許可の種類によって、外国人に行わせることのできる業務や時間が異なるため、在留カードや旅券の記載内容を確認して雇用する必要があります。在留資格についての判断が難しい場合は、専門家の支援を受けることが大切です。当事務所では、外国人の雇用や資格外活動許可を取得するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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