日本で活動している中国人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、中国人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

日本に在留している中国人

2022年12月の時点で、日本には約76万2千人の中国人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では最も多く、アジアの国・地域の中でも最も多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

日本に在留している中国人を年代別に見ると、20代が約25%、30代が約13%、40代が約18%、50代が約11%、60代が約4%などとなっています。40代以下が半分を占めていて、特に20代が多く在留していることが分かります。

中国人が取得している在留資格

日本に在留している中国人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技術・人文知識・国際業務(約8万3千人)、続いて技能実習(約2万9千人)、経営・管理(約1万6千人)、技能(約1万4千人)、高度専門職(約1万2千人)、特定活動(約1万1千人)、特定技能(約9千人)などとなっています。就労可能な活動資格では、技術・人文知識・国際業務や経営・管理のように専門的な技術・知識に関わる在留資格が多い一方で、技能実習のように技術・知識の修得を目的とした在留資格も一定の割合を占めているのが特徴です。就労不可能な活動資格では、留学(約12万6千人)、家族滞在(約6万8千人)、居住資格では、永住者(約31万4千人)、定住者(約2万7千人)、日本人の配偶者等(約2万6千人)、永住者の配偶者等(約1万8千人)などとなっています。

国籍に制限のある在留資格

中国人は、技能実習の在留資格の対象となります。

中国人の雇用で注意するポイント

中国の民族構成と言語

中国は、東アジアにあり、人口は約14億人です。中国は漢民族と多数の少数民族から成る多民族国家で、中国人の民族構成は、約92%が漢民族、約8%が少数民族となっています(外務省「中国基礎データ」)。

中国の公用語は中国語で、普通話などと呼ばれます。中国語には、普通話の他に北京語、広東語、上海語、四川語など地域ごとに異なる中国語があります。また、香港では英語、マカオではポルトガル語も公用語となっています。識字率は90%以上と高い水準にあります。中国人を雇用する場合は、通常は中国語でコミュニケーションをとることが考えられます。中国では大学などで英語や日本語を学習する者も多く、日本語の学習者数は世界で最も多くなっています。そのため、大学・大学院の卒業者を雇用する場合は、英語や日本語でコミュニケーションをとることも期待できます。

中国の宗教

中国人の宗教は、宗教を厳しく統制する国の政策の影響もあり、約74%が無宗教または民間信仰、約16%が仏教、約8%が道教、約2%がキリスト教などいわゆる三大宗教の割合が小さいのが特徴です。中国人は大半が無宗教または民間信仰であることから食べ物の決まりはほとんどありません。ただし、割合は小さいもののイスラム教では、豚肉食やアルコールの禁止などの決まりがあるため注意する必要があります。中国には春節(旧正月)など旧暦の習慣があるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

中国の年度と採用

中国の会計年度は1月に始まり、12月に終わります。中国では新卒採用の仕組みがあり、中国の大学・大学院の卒業生を雇用する場合は、10月の国慶節や1月~2月の春節の期間に採用活動を行うことが一般的です。中国には都市戸籍と農村戸籍に分かれる戸籍制度があり、就職や賃金などで地域格差があることから海外も含めて就職活動を行う学生が多く存在します。

まとめ

中国人を雇用する場合、技術・人文知識・国際業務をはじめとした様々な在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。中国人の言語は中国語です。ただし、大学・大学院の卒業生の場合は英語や日本語も交えてコミュニケーションをとることが期待できます。中国人の宗教は無宗教または民間信仰が大半であり、あまり宗教への配慮は求められませんが、旧暦の習慣に配慮する必要があります。中国の大学・大学院の卒業生の場合は、新卒採用を考える必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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