日本で活動しているネパール人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、ネパール人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

日本に在留しているネパール人

2022年12月の時点で、日本には約13万9千人のネパール人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では6番目に多く、アジアの国・地域の中では5番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

日本に在留しているネパール人を年代別に見ると、20代が約48%、30代が約26%、40代が約10%、50代が約2%、60代が1%未満などとなっています。日本に在留しているネパール人の大半を20代から30代の若者が占め、40代以上の割合は小さくなっています。

ネパール人が取得している在留資格

日本に在留しているネパール人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技術・人文知識・国際業務(約2万6千人)、続いて技能(約1万3千人)、特定技能(約2千人)、経営・管理(約2千人)、特定活動(約2千人)、技能実習(約1300人)などとなっています。就労可能な活動資格では、技術・人文知識・国際業務と技能が特に多いのが特徴です。就労不可能な活動資格では、家族滞在(約4万2千人)、留学(約4万人)、居住資格では、永住者(約6千人)、日本人の配偶者等(約1200人)、定住者(約1100人)、永住者の配偶者等(約900人)などとなっています。

国籍に制限のある在留資格

ネパール人は、技能実習の在留資格の対象となります。

ネパール人の雇用で注意するポイント

ネパールの民族構成と言語

ネパールは、南アジアにあり、人口は約3千万人です。ネパールはチェトリ、バフンなどのネパール語を話すカーストの総称であるパルバテ・ヒンドゥーとマガール族、タルー族、タマン族、ネワール族などの少数民族から成る多民族国家で、ネパール人の民族構成は、約半数がパルバテ・ヒンドゥーとなっています(外務省「ネパール基礎データ」)。

ネパールの公用語はネパール語です。識字率は60~70%以上と低い水準にあります。ネパール人を雇用する場合は、通常はネパール語でコミュニケーションをとることが考えられます。ネパールでは一般的に大学の講義は英語で行われるため、大学・大学院の卒業者を雇用する場合は、英語でコミュニケーションをとることが期待できます。

ネパールの宗教

ネパール人の宗教は、約81%がヒンドゥー教、約8%が仏教、約5%がイスラム教、約3%がキラント教などヒンドゥー教が大半を占めているのが特徴です。ヒンドゥー教では牛・豚などの肉食の禁止、イスラム教では豚肉食やアルコールの禁止などの決まりがあるため注意する必要があります。ネパールは西暦の他に独自のビクラム暦を用いるなどの習慣があるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

ネパールの年度と採用

ネパールの会計年度は7月半ばに始まり、翌年の7月半ばに終わります。ネパールでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。ネパールの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。ネパールは国内の産業が育っていないことから人口の約2割が隣国のインドをはじめとした海外で働いています。

まとめ

ネパール人を雇用する場合、技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能といった在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。ネパール人の言語はネパール語です。ただし、大学・大学院の卒業生の場合は英語でコミュニケーションをとることが期待できます。ネパール人の宗教はヒンドゥー教が多く、肉食の禁止などの食べ物の決まりに注意する必要があります。また、独自の暦などの習慣に配慮する必要もあります。ネパール人の雇用は通年採用で考える必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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