日本で活動しているベトナム人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、ベトナム人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

日本に在留しているベトナム人

2022年12月の時点で、日本には約48万9千人のベトナム人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では2番目に多く、アジアの国・地域の中でも2番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

日本に在留しているベトナム人を年代別に見ると、20代が約64%、30代が約25%、40代が約2%、50代が約1%、60代が1%未満などとなっています。日本に在留しているベトナム人の大半を20代から30代の若者が占め、40代以上の割合は小さくなっています。

ベトナム人が取得している在留資格

日本に在留しているベトナム人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技能実習(約17万6千人)、続いて技術・人文知識・国際業務(約7万8千人)、特定技能(約7万7千人)、特定活動(約2万6千人)、介護(約3千人)、経営・管理(約1600人)などとなっています。就労可能な活動資格では、技能実習が特に多いのが特徴で、技能実習生を受け入れている国・地域の中でも最も多くなっています。それ以外では、専門的な技術・知識に関わる技術・人文知識・国際業務が多い一方で、単純労働が含まれる特定技能も多く、また経済連携協定(EPA)の締結国であることから介護の在留資格も一定の割合を占めています。就労不可能な活動資格では、留学(約4万5千人)、家族滞在(約4万2千人)、居住資格では、永住者(約2万2千人)、日本人の配偶者等(約6千人)、定住者(約6千人)、永住者の配偶者等(約2千人)などとなっています。

国籍に制限のある在留資格

ベトナム人は、技能実習、特定活動(EPA看護師・介護福祉士、EPA看護師・介護福祉士の配偶者等、EPA看護師・介護福祉士候補者)の在留資格の対象となります。

ベトナム人の雇用で注意するポイント

ベトナムの民族構成と言語

ベトナムは、東南アジアにあり、人口は約1億人です。ベトナムはキン族と多数の少数民族から成る多民族国家で、ベトナム人の民族構成は、約86%がキン族、その他が少数民族となっています(外務省「ベトナム基礎データ」)。

ベトナムの公用語はベトナム語です。識字率は90%以上と高い水準にあります。ベトナム人を雇用する場合は、通常はベトナム語でコミュニケーションをとることが考えられます。

ベトナムの宗教

ベトナム人の宗教は、約74%が無宗教または民間信仰、約15%が仏教、約9%がキリスト教など無宗教または民間信仰の割合が大きいのが特徴です。ただし、無宗教または民間信仰には、日本と同様に形式的には仏教と関わりがあるが宗教を重視しない者が多く含まれ、そうした者を併せると仏教の割合は8割ほどになるとされます。ベトナム人は大半が無宗教または民間信仰であることから食べ物の決まりはほとんどありません。ベトナムにはテト(旧正月)など旧暦の習慣があるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

ベトナムの年度と採用

ベトナムの会計年度は4半期から選ぶことができ、一般的には1月に始まり、12月に終わります。ベトナムでは新卒採用よりも通年採用が一般的となっています。ベトナムの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。

まとめ

ベトナム人を雇用する場合、技能実習、特定技能、介護といった特別な在留制度に基づく在留資格、または技術・人文知識・国際業務の在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。ベトナム人の言語はベトナム語です。ただし、大学・大学院の卒業生の場合は英語でコミュニケーションをとることが期待できます。ベトナム人の宗教は無宗教または民間信仰が大半であり、あまり宗教への配慮は求められませんが、旧暦の習慣に配慮する必要があります。ベトナム人の雇用は通年採用で考える必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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