日本で活動しているアメリカ人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、アメリカ人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

日本に在留しているアメリカ人

2022年12月の時点で、日本には約6万1千人のアメリカ人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では8番目に多く、北アメリカの国・地域の中では最も多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

日本に在留しているアメリカ人を年代別に見ると、20代が約18%、30代が約23%、40代が約16%、50代が約15%、60代が約11%などとなっています。特定の世代に偏ることなく、幅広い世代が在留していることが分かります。

アメリカ人が取得している在留資格

日本に在留しているアメリカ人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技術・人文知識・国際業務(約8千人)、続いて教育(約6千人)、宗教(約1200人)などとなっています。就労可能な活動資格では、技術・人文知識・国際業務と教育が特に多いのに対して、それ以外の在留資格は多くても1000人程度にとどまっているのが特徴です。就労不可能な活動資格では、家族滞在(約4400人)、留学(約3700人)、居住資格では、永住者(約1万9千人)、日本人の配偶者等(約1万2千人)などとなっています。

アメリカ人の雇用で注意するポイント

アメリカの民族構成と言語

アメリカは、北アメリカにあり、人口は約3億3000万人です。アメリカは移民によって成立した多民族国家で、アメリカ人の民族構成は、約72%が白人、約13%がアフリカ系、約5%がアジア系などとなっています。これらの民族構成とは別に、近年は中央・南アメリカからの移民の増加により、スペイン語を話すヒスパニック系の割合が増加傾向にあります(外務省「アメリカ合衆国基礎データ」)。

法定の公用語はありませんが、約78%の家庭では英語が用いられています。ただし、近年はヒスパニック系の増加に伴いスペイン語を用いる家庭も約13%(約4100万人)と増加傾向にあり、アメリカの大学で最も学ばれている言語もスペイン語となっています。識字率は90%以上と高い水準にあります。アメリカ人を雇用する場合は、通常は英語でコミュニケーションをとることが考えられますが、今後はスペイン語やスペイン語混じりの英語を話すアメリカ人の増加に備える必要があります。

アメリカの宗教

アメリカ人の宗教は、約26%がプロテスタント、約21%がカトリック、約20%が特に宗派のないキリスト教などキリスト教が大きな割合を占めているのが特徴です。ただし、近年はキリスト教の割合は減少傾向にあり、無宗教の割合が増加傾向にあります。キリスト教では食べ物の決まりはほとんどありません。ただし、一部の宗派では肉食、アルコール、カフェインの禁止、食事制限などの決まりがあるため注意する必要があります。アメリカにはキリスト教に特有の習慣があるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

アメリカの年度と採用

アメリカの会計年度は10月に始まり、翌年の9月に終わります。アメリカでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。アメリカの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。

まとめ

アメリカ人を雇用する場合、技術・人文知識・国際業務や教育などの在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。アメリカ人の言語は英語が一般的ですが、今後はスペイン語への対応も考慮する必要があります。アメリカ人の宗教はキリスト教が大半であり、キリスト教の習慣に配慮する必要があります。また、一部の宗派では特有の決まりへの配慮が求められます。アメリカ人の雇用は通年採用で考える必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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