日本で活動しているブラジル人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、ブラジル人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

日本に在留しているブラジル人

2022年12月の時点で、日本には約20万9千人のブラジル人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では5番目に多く、南アメリカの国・地域の中では最も多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

日本に在留しているブラジル人を年代別に見ると、20代が約13%、30代が約18%、40代が約20%、50代が約16%、60代が約9%などとなっています。60代以上は少なくなりますが、特定の世代に偏ることなく、幅広い世代が在留していることが分かります。

ブラジル人が取得している在留資格

日本に在留しているブラジル人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格はとても少なく、技術・人文知識・国際業務(約500人)、興行(約200人)などとなっています。就労不可能な活動資格では、留学(約800人)、家族滞在(約500人)、居住資格では、永住者(約11万4千人)、定住者(約7万1千人)、日本人の配偶者等(約1万6千人)、永住者の配偶者等(約5千人)などとなっています。ブラジルは日系人が多いことから、定住者が特に多いのが特徴で、定住者の国・地域の中で最も多くなっています。

ブラジル人の雇用で注意するポイント

ブラジルの民族構成と言語

ブラジルは、南アメリカにあり、人口は約2億1500万人です。ブラジルは移民によって成立した多民族国家で、ブラジル人の民族構成は、約48%が白人、約43%がムラート(白人と黒人の混血)、約8%がアフリカ系などとなっています(外務省「ブラジル基礎データ」)。

ブラジルの公用語はポルトガル語です。識字率は90%以上と高い水準にあります。ブラジル人を雇用する場合は、通常はポルトガル語でコミュニケーションをとることが考えられます。

ブラジルの宗教

ブラジル人の宗教は、約65%がカトリック、約22%がプロテスタント、約8%が無宗教などキリスト教が大半を占めているのが特徴です。キリスト教では食べ物の決まりはほとんどありません。ブラジルにはキリスト教に特有の習慣があるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

ブラジルの年度と採用

ブラジルの会計年度は1月に始まり、12月に終わりますが、自由に設定することもできます。ブラジルでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。ブラジルの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。

まとめ

ブラジル人を雇用する場合、就労可能な活動資格で入国するブラジル人は少ないため、定住者など日本に居住しているブラジル人から人材を確保することが考えられます。ブラジル人の言語はポルトガル語です。ブラジル人の宗教はキリスト教が大半であり、キリスト教の習慣に配慮する必要があります。ブラジル人の雇用は通年採用で考える必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。