日本で活動しているスリランカ人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、スリランカ人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
日本に在留しているスリランカ人
2022年12月の時点で、日本には約3万7千人のスリランカ人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では14番目に多く、アジアの国・地域の中では11番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。
日本に在留しているスリランカ人を年代別に見ると、20代が約37%、30代が約28%、40代が約14%、50代が約6%、60代が約1%などとなっています。20代から30代の若者の割合が大きく、50代以上の割合は小さくなっています。
スリランカ人が取得している在留資格
日本に在留しているスリランカ人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技術・人文知識・国際業務(約1万人)、続いて特定活動(約2千人)、経営・管理(約2千人)、技能実習(約1千人)などとなっています。就労可能な活動資格では、技術・人文知識・国際業務が特に多いのが特徴です。就労不可能な活動資格では、家族滞在(約8千人)、留学(約6千人)、居住資格では、永住者(約4千人)、日本人の配偶者等(約1千人)などとなっています。
国籍に制限のある在留資格
スリランカ人は、技能実習の在留資格の対象となります。
スリランカ人の雇用で注意するポイント
スリランカの民族構成と言語
スリランカは、南アジアにあり、人口は約2200万人です。スリランカはシンハラ人、タミル人、スリランカ・ムーア人などから成る多民族国家で、スリランカ人の民族構成は、約75%がシンハラ人、約15%がタミル人、約9%がスリランカ・ムーア人などとなっています(外務省「スリランカ基礎データ」)。
スリランカの公用語はシンハラ語とタミル語で、それぞれの民族が民族語を用います。識字率は90%以上と高い水準にあります。スリランカ人を雇用する場合は、通常はシンハラ語やタミル語でコミュニケーションをとることが考えられます。
スリランカの宗教
スリランカ人の宗教は、約70%が仏教、約13%がヒンドゥー教、約10%がイスラム教、約6%がカトリックなど仏教が大半を占め、ヒンドゥー教やイスラム教も一定の割合を占めているのが特徴です。ヒンドゥー教では肉食の禁止、イスラム教では豚肉食やアルコールの禁止などの決まりがあるため注意する必要があります。スリランカでは西暦の他に民族や宗教により異なる暦が用いられるため、習慣や祝祭日に配慮が必要となります。
スリランカの年度と採用
スリランカの会計年度は1月に始まり、12月に終わります。スリランカでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。スリランカの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。
まとめ
スリランカ人を雇用する場合、技術・人文知識・国際業務や技能実習などの在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。スリランカ人の言語はシンハラ語やタミル語が多いです。スリランカ人の宗教は仏教が多いですが、ヒンドゥー教やイスラム教も一定の割合を占めるため、それらの習慣に配慮する必要があります。スリランカ人の雇用は通年採用で考える必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。