日本で活動しているパキスタン人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、パキスタン人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

日本に在留しているパキスタン人

2022年12月の時点で、日本には約2万2千人のパキスタン人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では17番目に多く、アジアの国・地域の中では14番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

日本に在留しているパキスタン人を年代別に見ると、20代が約19%、30代が約21%、40代が約15%、50代が約14%、60代が約4%などとなっています。60代以上は少なくなりますが、特定の世代に偏ることなく、幅広い世代が在留していることが分かります。

パキスタン人が取得している在留資格

日本に在留しているパキスタン人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技術・人文知識・国際業務(約4千人)、続いて経営・管理(約2千人)、特定活動(約1千人)などとなっています。就労可能な活動資格では、技術・人文知識・国際業務と経営・管理が多く、それ以外の在留資格は多くても1000人程度にとどまっているのが特徴です。就労不可能な活動資格では、家族滞在(約5千人)、留学(約1千人)、居住資格では、永住者(約5千人)、定住者(約1600人)、日本人の配偶者等(約1千人)などとなっています。

国籍に制限のある在留資格

パキスタン人は、技能実習の在留資格の対象となります。

パキスタン人の雇用で注意するポイント

パキスタンの民族構成と言語

パキスタンは、南アジアにあり、人口は約2億4千万人です。パキスタンはパンジャーブ人とパシュトゥーン人、シンド人などから成る多民族国家で、パキスタン人の民族構成は、約56%がパンジャーブ人、約16%がパシュトゥーン人などとなっています(外務省「パキスタン基礎データ」)。

パキスタンの国語はウルドゥー語で公用語は英語です。識字率は50~60%と低い水準にあります。パキスタン人を雇用する場合は、通常はウルドゥー語や英語でコミュニケーションをとることが考えられます。

パキスタンの宗教

パキスタン人の宗教は、約96%がイスラム教、約2%がヒンドゥー教などイスラム教が大半を占めているのが特徴です。イスラム教では豚肉食やアルコールの禁止などの決まりがあるため注意する必要があります。パキスタンでは西暦の他にイスラム教のヒジュラ暦が用いられるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

パキスタンの年度と採用

パキスタンの会計年度は7月に始まり、翌年の6月に終わります。パキスタンでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。パキスタンの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。

まとめ

パキスタン人を雇用する場合、技術・人文知識・国際業務の在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。パキスタン人の言語はウルドゥー語や英語です。パキスタン人の宗教はイスラム教が大半であり、イスラム教の習慣に配慮する必要があります。パキスタン人の雇用は通年採用で考える必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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