日本で活動しているカンボジア人はどのような在留資格を取得しているのでしょうか。また、カンボジア人を受け入れる場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

日本に在留しているカンボジア人

2022年12月の時点で、日本には約2万人のカンボジア人が在留しています。これは、世界の国・地域の中では18番目に多く、アジアの国・地域の中では15番目に多くなっています(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。

日本に在留しているカンボジア人を年代別に見ると、20代が約60%、30代が約28%、40代が約4%、50代が約1%、60代が約1%などとなっています。日本に在留しているカンボジア人の大半を20代から30代の若者が占め、40代以上の割合は小さくなっています。

カンボジア人が取得している在留資格

日本に在留しているカンボジア人の取得している在留資格のうち、就労可能な活動資格で最も多いのが、技能実習(約1万1千人)、続いて特定技能(約3千人)、特定活動(約1500人)などとなっています。就労可能な活動資格では、技術・知識の修得を目的とした技能実習や単純労働が含まれる特定技能の在留資格が多いのが特徴です。就労不可能な活動資格では、留学(約700人)、居住資格では、永住者(約1700人)などとなっています。

国籍に制限のある在留資格

カンボジア人は、技能実習の在留資格の対象となります。

カンボジア人の雇用で注意するポイント

カンボジアの民族構成と言語

カンボジアは、東南アジアにあり、人口は約1500万人です。カンボジアはクメール人と少数民族から成る多民族国家で、カンボジア人の民族構成は、約90%がクメール人、約9%がベトナム人や華人、チャム族などの少数民族となっています(外務省「カンボジア基礎データ」)。

カンボジアの公用語はクメール語です。識字率は70~80%とやや高い水準にあります。カンボジア人を雇用する場合は、通常はクメール語でコミュニケーションをとることが考えられます。

カンボジアの宗教

カンボジア人の宗教は、約97%が仏教、約2%がイスラム教など仏教が大半を占めているのが特徴です。仏教では食べ物の決まりはほとんどありません。カンボジアには独自の暦や旧正月など旧暦の習慣があるため、習慣祝祭日に配慮が必要となります。

カンボジアの年度と採用

カンボジアの会計年度は1月に始まり、12月に終わります。カンボジアでは特定の採用時期はなく、通年採用となっています。カンボジアの大学・大学院の卒業生を雇用する場合は通年採用で考える必要があります。

まとめ

カンボジア人を雇用する場合、技能実習、特定技能などの在留資格に関係する業種で人材を確保しやすいと考えられます。カンボジア人の言語はクメール語です。カンボジア人の宗教の大半を占める仏教ではあまり宗教への配慮は求められませんが、独自の暦や旧暦の習慣に配慮する必要があります。当事務所では、外国人の在留申請を代行するお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。