外国人が帰化許可申請をする場合、どのような書類を作成・収集する必要があるのでしょうか。
帰化許可申請で提出する書類
帰化許可申請では、次のような書類を作成する必要があります。書類は原則として2通提出する必要があります。ただし、原本を提出できる書類の場合は、1通は原本の写しを、原本を提出できない書類の場合は、2通とも原本の写しを提出することができます。また、数人の申請を同時に行う場合、申請者全体で共通で使用できる書類と、申請者ごとに作成しなければいけない書類があります。外国語の書類については、日本語訳を提出する必要があります。
帰化許可申請書
帰化許可申請書
申請者ごとに作成します。
写真
写真(縦5cm、横5cm)
15歳未満の場合は、父母などの法定代理人と一緒に撮影した写真を貼付します。
親族の概要を記載した書類
親族の概要を記載した書類
申請者を除いて記載します。
申請をしていない同居の親族、申請者の配偶者(元配偶者を含む)、親(養親を含む)、子(養子を含む)、兄弟姉妹、配偶者の両親、内縁の夫または妻、婚約者について記載します。
死亡者についても記載します。
日本に居住している親族と外国に居住している親族について、個別の書面を作成する必要があります。
履歴書
履歴書
申請者ごとに作成します。
経歴を証明する次のような資料を提出します。
1 最終学歴の卒業証明書または卒業証書の写し
2 在学証明書または成績証明書(通知表の写しを含む)
3 在勤証明書
4 自動車運転免許証の写し
5 技能および資格証明書の写し
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、教員、理容師、美容師、建築士、調理師、その他免許を必要とする職業に従事している場合は、技能および資格証明書または免許証の写し
提出する必要はありませんが、次のような資料を取得することで正確な履歴書を作成しやすくなります。
1 外国人登録原票の写し
2 閉鎖外国人登録原票の写し(2012年7月以前の場合)
3 外国人出入国記録の写し
運転記録証明書
1 過去5年の運転記録証明書(自動車運転免許証を持っている場合)
2 運転免許経歴証明書(自動車運転免許証が失効した、または取り消された場合)
帰化の動機書
帰化の動機書
申請者ごとに作成します。
帰化許可申請に至った経緯および動機、日本での生活および社会貢献、帰化が許可された後の予定などを自筆で作成します。申請の際には、帰化の動機書が自筆であることを確認されます。また、帰化の動機書は申請者の日本語能力の評価にも利用されます。
15歳未満の場合は不要です。
宣誓書
宣誓書
申請者ごとに作成します。申請の際には、申請者は宣誓書の読み上げを求められます。
15歳未満の場合は不要です。
国籍を証明する資料
法務局からの指示に従って、本国の国籍を証明する次のような資料を提出します。
1 国籍証明書
申請者が韓国人、朝鮮人の場合は、家族関係登録簿に基づく基本証明書または韓国・朝鮮の戸籍謄本または除籍謄本を提出します。いずれの資料も提出できないときは、日本の戸籍謄本、除籍謄本、戸籍届書の記載事項証明書を提出します。
2 旅券(パスポート)の写し
国籍喪失を証明する資料
法務局からの指示に従って、本国の国籍喪失(離脱)を証明する資料を提出します。
本国法により、日本国籍の取得で当然に本国籍を失うこととされている場合は不要です。
身分関係を証明する資料
身分関係を証明する次のような資料を提出します。
1 本国の戸籍謄本または除籍謄本
申請者が韓国・朝鮮人の場合は、家族関係登録簿に基づく証明書(基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書、父母の家族関係証明書、母の婚姻関係証明書)または韓国・朝鮮の戸籍謄本または除籍謄本を提出します。
申請者が台湾人の場合は、台湾の戸籍謄本または除籍謄本を提出します。
2 次の場合は、日本の戸籍謄本または除籍謄本(全部事項証明書)
⑴ 申請者の配偶者(元配偶者、内縁関係を含む)が日本国民の場合
⑵ 申請者の子(養子を含む)が日本国民の場合
⑶ 申請者の父母(養父母を含む)が日本国民の場合
⑷ 申請者が日本国民であった者の子(養子を含む)の場合
⑸ 申請者が日本国籍を失った者である場合
⑹ 申請者の親・兄弟姉妹・子の中で帰化または国籍取得をした者がいる場合
3 申請者が、日本で出生、婚姻、離婚、養子縁組等をした場合、および申請者の父母等が、日本で婚姻、離婚、死亡した場合は、次の資料を提出します。
⑴ 出生届の記載事項証明書(申請者および兄弟姉妹のもの)
⑵ 死亡届の記載事項証明書
⑶ 婚姻届の記載事項証明書
⑷ 離婚届の記載事項証明書(裁判離婚の場合は、調書・審判書・判決書の謄本等も提出する)
⑸ 親権者変更届等の記載事項証明書(裁判離婚の場合は、調書・審判書・判決書の謄本等も提出する)
⑹ 養子縁組届の記載事項証明書
⑺ 認知届の記載事項証明書
⑻ 就籍の審判書
4 本国の証明書
⑴ 出生証明書
⑵ 婚姻証明書(申請者および父母のもの)
⑶ 離婚証明書(申請者および父母のもの)
⑷ 死亡証明書(父母のもの)
⑸ 親族関係証明書
居住歴を証明する資料
住民票の写し(申請者、同居者、配偶者(元配偶者を含む)のもの)
住民票の写しは、個人番号(マイナンバー)、住民票コードの記載されていないものを提出する必要があります。
生計の概要を記載した書類
生計の概要を記載した書類
申請者、配偶者、生計を同じくする親族の収入・支出関係、資産関係などを記載します。
不動産を所有している場合は、外国に所有している不動産についても記載します。
収入、資産関係を証明する次のような資料を提出します。
1 在勤及び給与証明書(会社等勤務先が証明したもの)
2 年金受給証明書
3 外国居住親族に対する送金関係書類の写し
4 土地・建物の登記事項証明書
5 賃貸借契約書の写し
6 残高証明書または預金通帳の写し
事業の概要を記載した書類
事業の概要を記載した書類
複数の事業を経営している場合は、事業ごとに作成します。
事業の状況を証明する次のような資料を提出します。
1 法人の登記事項証明書
2 許認可証明書(事業免許等)の写し
3 土地・建物の登記事項証明書
4 賃貸借契約書の写し
5 確定申告書控えの写し
6 決算報告書(貸借対照表、損益計算書)の写し
自宅、勤務先、事業所付近の略図
自宅、勤務先、事業所付近の略図
自宅、勤務先を同じくする者については、1人分の略図を作成します。
目標となるもの、または最寄りの交通機関からの経路、所要時間等を記載します。
事業を経営している場合は、事業所(会社、工場、店舗等を含む)付近の略図も作成します。
過去3年のうちに自宅、勤務先に変更がある場合は、変更前の自宅、勤務先の略図も作成します。
納税状況を証明する資料
申請者の納税状況を証明する次のような資料を提出します。
1 源泉徴収票
2 確定申告書控えの写し
3 所得税の納税証明書(その1、その2)
4 住民税の納税証明書、課税証明書、非課税証明書
事業を経営している場合に提出する資料
申請者が事業を経営している場合は、次のような資料を提出します。
1 決算報告書
2 源泉徴収簿の写し、および納付書の写し
3 法人税の納税証明書(その1、その2)
4 事業税の納税証明書
5 法人事業税の納税証明書
6 消費税の納税証明書
7 法人住民税の納税証明書
保険料の納付状況を証明する資料
申請者、申請者が世帯主である同一世帯の者、申請者の配偶者の公的年金・公的医療保険・介護保険の保険料の納付状況を証明する資料を提出します。
申請者を扶養する者が、次のいずれかに当たる場合は、申請者を扶養する者の社会保険料の納付証明書も提出する必要があります。
基礎年金番号、ねんきん定期便の照会番号、アクセスキー、被保険者証の保険者番号および被保険者記号・番号が記載されている書類(写しを含む)を提出する場合は、これらの番号の部分をマスキングする必要があります。
公的年金の保険料の納付状況を証明する資料
申請者、申請者が世帯主である同一世帯の者、申請者の配偶者に第1号被保険者がいる場合は、直近1年分の次の資料を提出します。
1 ねんきん定期便
2 年金保険料の領収書等の写し
申請者が厚生年金保険法に定める適用事業所の事業主である場合は、直近1年分の次の資料を提出します。
1 年金保険料の領収書等の写し
公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
申請者が世帯主である同一の世帯の者に国民健康保険の被保険者がいる場合は、直近1年分の次の資料を提出します。
1 国民健康保険料納付証明書
申請者、申請者が世帯主である同一世帯の者、申請者の配偶者に後期高齢者医療の被保険者がいる場合は、直近1年分の次のいずれかの資料を提出します。
1 公的年金等の源泉徴収票
2 後期高齢者医療保険料の領収書の写し
申請者が健康保険法に定める適用事業所の事業主である場合は、直近1年分の次の資料を提出します。
1 健康保険料の領収書等の写し
介護保険の保険料の納付状況を証明する資料
申請者、申請者が世帯主である同一世帯の者、申請者の配偶者が65歳以上である場合は、直近1年分の次のいずれかの資料を提出します。
1 公的年金等の源泉徴収票
2 介護保険料納付証明書等
その他の参考資料
その他、法務局からの指示に従って、次のような資料を提出します。
1 スナップ写真(家族、友人、職場を撮影したもの)
2 診断書(申請者が病気または妊娠中の場合)
3 母子健康手帳の写し
4 感謝状、表彰状の写し(官公庁、公共団体、これに準ずる機関から授与されたもの)
まとめ
外国人が帰化許可申請をする際には、以上のような書類を作成・収集する必要があります。必要な書類は申請者に応じて大きく異なるうえに、非常に多くの書類を作成・収集しなければいけないため、法務局で帰化について相談する際に確認しておくことが大切です。書類の作成・収集には、専門的な知識が必要となりますし、その準備には多くの時間がかかります。そのため、帰化許可申請を行うときは、専門家の支援を受けることが大切です。当事務所では、外国人の帰化許可申請のお手伝いをしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。