作曲家や作詞家、画家などの芸術家は創作活動を行いますが、これら芸術に携わる外国人に対して発給されるのが芸術ビザです。就労ビザのなかでも特に実績が重視される「芸術」の分野について説明していきます。

 

芸術ビザの対象者と申請における重要ポイント

就労ビザのうち「芸術分野で申請できる職種は以下のとおりです。いずれも、日本における芸術的分野の発展を目的としているため、後に述べるように実績などが重要視されます。

 

【芸術分野で申請できる職種例】

■芸術的創作を行う職種:

作曲家、作詞家、写真家、画家、著述家などの芸術家

■芸術分野における指導的職種:

音楽、映画、美術、文学などにおける指導者

 

申請における重要ポイントとは

申請に当たって入国管理局では、以下のポイントを重視して在留資格を付与するか判断するとされています。

 

  • 十分な収入が見込めるか

芸術家として生活が成り立つだけの収入を得る見込みがあることが大切です。日本における在留資格は「芸術」ですから、専門分野とする芸術活動で収入を得て日本で問題なく生活できるかどうかが審査を左右する要素になります。

  • これまでに十分な実績があるか

コンクールなどでの受賞実績などがあると、日本における芸術活動で収入を得られる見込みがあると予想されますが、全く実績がない状態では安定収入を予見できません。したがって、本人が大丈夫だと主張しても入国管理局としては不許可の判断を下さざるを得ないといえます。

 

在留資格「芸術」の申請書類一覧

芸術ビザの新規申請在留資格の変更許可申請更新のそれぞれについて、申請に必要な書類を整理してみましょう。

 

新規申請

【必要書類】

在留資格認定証明書交付申請書

規定の写真

簡易書留用の切手を貼付した返信用封筒

芸術的活動内容がわかるいずれかの資料

  • 公私の機関や個人との契約に基づき芸術活動を行う場合は、活動内容・期間・肩書・報酬を証明する書類
  • 公私の機関や個人との契約に基づかない芸術活動を行う場合は、申請者により作成された活動内容・期間・収入見込み額を明記した書類

芸術活動の詳細がわかる履歴書および実績がわかる以下いずれかのもの

  • 関係団体からの推薦状
  • 過去の活動に関する報道
  • 入賞,入選等の実績
  • 過去の作品等の目録
  • 上記に準ずるもの

※審査は個別に行われるため、別途書類の提出が求められる場合があります。

 

在留資格の変更

【必要書類】

在留資格変更許可申請書

規定の写真

パスポート

在留カードか外国人登録証明書の提示

芸術的活動内容がわかるいずれかの資料

  • 公私の機関や個人との契約に基づき芸術活動を行う場合は、活動内容・期間・肩書・報酬を証明する書類
  • 公私の機関や個人との契約に基づかない芸術活動を行う場合は、申請者により作成された活動内容・期間・収入見込み額を明記した書類

芸術活動の詳細がわかる履歴書および実績がわかる以下いずれかのもの

  • 関係団体からの推薦状
  • 過去の活動に関する報道
  • 入賞,入選等の実績
  • 過去の作品等の目録
  • 上記に準ずるもの

※審査は個別に行われるため、別途書類の提出が求められる場合があります。

 

在留期間の更新

【必要書類】

在留期間更新許可申請書

規定の写真

パスポート

在留カードか外国人登録証明書

芸術的活動内容がわかるいずれかの資料

  • 公私の機関や個人との契約に基づき芸術活動を行う場合は、活動内容・期間・肩書・報酬を証明する書類
  • 公私の機関や個人との契約に基づかない芸術活動を行う場合は、申請者により作成された活動内容・期間・収入見込み額を明記した書類

直近1年間の総所得と納税状況がわかる住民税の課税証明書と納税証明書

 

まとめ

芸術ビザといってもカバーする範囲は非常に広く、同分野における活動内容や収入状況が重視されることから、個人での申請が難航してしまうケースが見られます。特に芸術活動による収入は、実際に定期的な収入を得てきた経験がない限り、何を根拠に考えるべきか難しいところでもあるでしょう。

当事務所では、申請者の背景事情をしっかりとヒアリングしたうえで、芸術ビザ取得の可能性を申請者とともに検討し、状況的に困難であると考えられる場合には他の就労ビザで活動を行うことができないか助言し申請に結び付けていきます。ぜひ一度、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

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