在留資格のなかでも技能ビザは、日本人で代替することが難しいジャンルに対応できる外国人に認められるものです。ここでは、熟練した技能を持つ外国人を招聘するために必要な「技能」での在留資格について説明していきます。
技能ビザの申請に求められるバックグラウンドと申請要件
日本に外国人を招聘する意味は、日本の経済や専門分野を向上させ、かつ国際化を目指すことにあります。技能の在留資格で従事できる職種は非常に専門的であり、例えば以下のようなものが挙げられます。なお、技能ビザを取得するためには、職種により一定期間以上の実務経験が求められます。基準省令1号から9号までについて、代表的な職種と必要な実務経験年数を整理してみましょう。
技能ビザの対象職種との必要経験年数
1号:調理師(10年以上)
2号:外国特有の建築技術者(10年以上)
3号:外国特有製品の製造又は修理(10年以上)
4号:宝石・貴金属・毛皮加工(10年以上)
5号:動物の調教(10年以上)
6号:石油・地熱等掘削調査(10年以上)
7号:パイロット(250時間以上の飛行経歴)
8号:スポーツ指導者(3年以上)
9号:ソムリエ(5年以上)申請要件の概要
上記を含め様々なジャンルにおいて、技術の在留資格を要する職種がありますが、同資格を得るためには、大学などの高等教育機関で理系の専門科目を履修済みであるか、一定期間・一定水準以上の実務経験を積んでいることが求められます。また、勤務先が「本邦の公私の機関」であることが必要で、これは日本国内の事業所や店舗などのことを指しています。なお、外国人であっても日本人と同等以上の報酬が支払われることが前提条件になります。
技能ビザ申請のための必要書類
外国人が日本で熟練の技能を要する職に就く場合、技能ビザの申請を行う必要があります。
在留資格認定証明書交付申請
【必要書類】
在留資格申請書
規定の写真
簡易書留用の切手を貼付した返信用封筒
採用の事実・招聘する理由・当該外国人の職務を説明した文書
申請者たる外国人の履歴書(就職先の事業所や店舗・業務内容・在留予定期間を明記)
熟練技能を備えていることの証明文書
申請者たる外国人の職歴がわかる文書
雇用主たる事業所や店舗などの詳細資料(登記事項証明書・パンフレットなど)
申請者と事業所や店舗などとの雇用契約書
事業所や店舗について前年分の社員の源泉徴収票等法定調書合計表の写し
※原則として上記書類が必要になります。審査は個別に行われることから、別途書類の提出が求められることもあるので注意しましょう。
転職者や在留期間延長が必要な者のビザ申請について
すでに技能ビザを保有しているが転職により職場が変わる場合、転職先の事業所や店舗から入国管理局に対して就労資格証明を行ってもらう必要があります。これにより、転職先の職場も技能を要すると認めてもらうことに繋がるのです。また、技能ビザを保有しているが期限が近くなってきた外国人の場合は、ビザ申請時と同等の書類を提出して在留期間更新許可申請を行います。
まとめ
技能ビザが対象とする職種にも分類がありますから、外国人が就労する業務に応じて適切な書類を用意し申請を行わなければなりません。一方、入国管理局による審査は一律ではなく個別に実施されますから、申請者によって提出書類が変わってくることも十分あり得ます。入国管理局のホームページを参考にすることはもちろん、直接電話で確認することも含め、最新の情報に基づく正しい申請ができるよう準備していきましょう。
ビザを含む許認可申請の専門家である行政書士にご相談・ご依頼いただければ、よりスムーズに手続きが運ぶようサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。