就労ビザのなかでも、興行という在留資格は非常に一般的であり、外国の芸能人やスポーツ選手などの招聘に使われています。ただし、興行ビザを利用した不正入国の件数も多いことから、入国管理局の審査もおのずと厳しくなっています。ここでは、興行ビザの種類や申請書類について整理していきます。

 

4種類の興行ビザと各申請書類

 外国から芸能人やスポーツ選手などを呼び寄せるためには、興行という在留資格を取得する必要があります。その際に必要になるのが、在留資格認定証明書交付申請で、興行ビザの種類によって要件が変わってきます。4種類のビザとそれぞれに当てはまる催しなどについて見ていきましょう。

 

4種類の興行ビザ

1

レストランや小規模なライブなどで行われる演奏・歌唱・ダンス・演劇

 

2

自治体などが主催する比較的規模の大きい演奏・歌唱・ダンス・演劇

100席以上の施設など・アーティストや選手の報酬が1日あたり50万円を超える場合など

 

3

スポーツの試合など1号および2号に該当しないパフォーマンス

 

4

映画や作品プロモーション、番組撮影など観客のない芸能活動

 

就労ビザ「興行」の各申請準備について

1号から4号まである興行ビザを取得するためには、以下の書類準備が必要になります。

 

1号の場合

【必要書類】

在留資格認定証明書交付申請書

興行に関する経歴書(必要に応じ)

規定の写真

興行の契約相手機関に対する提示資料

>三カ月以内発行の登記事項証明書

>貸借対照表・損益計算書などのコピー

>契約相手機関の概要がわかる資料

興行に関する外国人および契約相手機関との契約書コピー

興行を行う外国人の日本における具体的活動内容・機関・報酬などがわかる書類

 

 

2号の場合

【必要書類】

在留資格認定証明書交付申請書

外国人の興行に関する経歴書(必要に応じ)

規定の写真

契約相手機関に関する資料

>三カ月以内発行の登記事項証明書

>直近の貸借対照表・損益計算書などのコピー

>契約相手機関の概要資料

>従業員名簿

契約相手機関の概要がわかる資料

>営業許可証コピー

>間取りなどが記載された施設図面

>外観や客席などがわかる施設写真

興行に関する契約書コピー(招聘する外国人および契約相手機関との契約書コピー・契約相手機関が請負で興行を行う場合は会場の使用許諾書コピーも添付)

興行を行う外国人の日本における具体的活動内容・機関・報酬などがわかる書類

公演内容や日時、出演者などの滞在日程表、チラシ類など

簡易書留代404円分の切手を貼付した返信用提携封筒(要宛名書き)

代理申請する場合は代理人の会社身分証提示

※外国語で作成された書類は要和訳

 

 

3号の場合

【必要書類】

在留資格認定証明書交付申請書

外国人の興行に関する経歴書(必要に応じ)

規定の写真

契約相手機関に関する資料

>三カ月以内発行の登記事項証明書

>直近の貸借対照表・損益計算書などのコピー

>従業員名簿

契約相手機関の概要がわかる資料

>営業許可証コピー

>間取りなどが記載された施設図面

>外観や客席などがわかる施設写真

>従業員名簿

>三カ月以内発行の登記事項証明書

>>直近の貸借対照表・損益計算書などのコピー

興行を行う外国人の日本における具体的活動内容・機関・報酬などがわかる書類

>雇用契約書コピー

>出演承諾書コピー

公演内容や日時、出演者などの滞在日程表、チラシ類など

簡易書留代404円分の切手を貼付した返信用提携封筒(要宛名書き)

代理申請する場合は代理人の会社身分証提示

※外国語で作成された書類は要和訳

 

1号から3号までで演劇の場合

【演劇などの興行に関する活動を行う場合は以下の資料】

>契約相手機関の経営者あるいは管理者および常勤職員の名簿

>契約相手機関の経営者あるいは管理者が興行関連業務を通算3年以上経験していることがわかる書類

>契約相手機関の経営者あるいは管理者または常勤職員が、人身取引や出入国管理および難民認定法違反・売春防止法違反を行ったことがない旨、また暴力団関係者でない旨の申立書

>契約相手機関が直近3年間に結んだ興行関連契約に基づいて興行在留資格を取得し在留する外国人に対し、報酬全額を支払い済みであることの証明書類(契約書コピー、領収証、通帳コピー、帳簿コピー、納税関係書類、決算書および法人税申告書のコピーなど)

契約相手機関の概要がわかる資料

>営業許可証コピー

>間取りなどが記載された施設図面

>外観や客席などがわかる施設写真

契約相手機関に関する資料

>三カ月以内発行の登記事項証明書

>直近の貸借対照表・損益計算書などのコピー

>その他添付できる資料

>契約相手機関の経営者および関連業務に従事する常勤職員の名簿(5名以上の雇用に限る)

>契約相手機関の経営者および常勤職員、人身取引や出入国管理および難民認定法違反、売春防止法違反がないこと、また暴力団関係者ではないことを示す申立書

公演内容や日時、出演者などの滞在日程表、チラシ類など

簡易書留代404円分の切手を貼付した返信用提携封筒(要宛名書き)

代理申請する場合は代理人の会社身分証提示

※外国語で作成された書類は要和訳

4号の場合

【必要書類】

在留資格認定証明書交付申請書

当該芸能活動に関する実績証明資料(作品・紙面・出版物などを含む)

規定の写真

興行を行う外国人の日本における具体的活動内容・機関・報酬などがわかる書類

>雇用契約書コピー

>出演承諾書コピー

契約相手機関の概要がわかる資料

>三カ月以内発行の登記事項証明書

>直近の貸借対照表・損益計算書などのコピー

>従業員名簿

>パンフレットなど

公演内容や日時、出演者などの滞在日程表、チラシ類など

簡易書留代404円分の切手を貼付した返信用提携封筒(要宛名書き)

代理申請する場合は代理人の会社身分証提示

※外国語で作成された書類は要和訳

 

まとめ

必要書類を揃えて申請し、審査を経て結果が出るまでは1ヶ月から3ヶ月ほどかかることが多いようです。冒頭に述べた通り、興行ビザは不正入国に利用されることも多々あるため、多種多様な書類の提出が求められ、厳しい審査を経てようやくビザ取得にいたるのです。当然ながら、相応の時間と手間がかかりますので、許可申請の専門家である行政書士に依頼するケースが一般的だといえるでしょう。当事務所でもご相談・ご依頼を承っていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

 

この記事が気に入ったら フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう