数多く存在する就労ビザの取得にあたり、外国人が飲食店などの各職種で就労するためにはどのような要件をクリアすればいいのでしょうか。ここでは、職種例を挙げながら、ビザの発給要件などについて説明していきます。
飲食店を含む「就労が可能となる職業」とは
まず注意したいのは、清掃や厨房業務など単純労働と認められる場合は、就労することができません。これらの業務は単純労働と見なされ、知識や経験などを活かすことで収入を得るケースと明確に区別しているのです。では、飲食店を含む様々な業態のうち、どういった仕事であれば就労することができるのでしょうか。
日本での就労が可能とされる職業例
飲食店
皿洗いや清掃といった単純労働を除き、通訳を含めた接客や管理業務などに従事している場合。
小売店
商品陳列や清掃などの単純労働を除き、仕入れや店舗管理、通訳込みの接客に従事している場合。
ホテルなど宿泊施設
清掃などの単純労働を除き、外国語を使うベルスタッフなどの業務や外国語版サイトの更新・管理などの業務に従事している場合。
介護施設
日本語と外国語を用い、入所者への介護業務や外国人スタッフへの指導などに従事している場合。
食品製造会社
指示待ちによる単純労働を除き、日本語を使って業務に従事し、製造ラインだけではなく企画や開発などの業務にも携わることができる場合。
工場ライン
指示受けのみの単純労働を除き、日本人スタッフによる指示を他の技能実習生などに対し外国語で伝達し指導するリーダー的業務に就いている場合。
タクシー会社
一般的なタクシー運転業務に加え、観光プランの立案や実行、通訳などの業務に従事している場合。なお、タクシー運転には第二種免許が必要。
外国人が日本で就労可能になるための条件
外国人が日本で就労するためには、その職業や業務形態に合ったビザを取得する必要があります。同時に、日本語能力や学歴、報酬額などさまざまな条件を見て総合的に判断されますので、まずは以下の点を満たすか確認しておきましょう。
就労可能な業務に従事している
日本人と同等以上の報酬・給与を受けている
フルタイム雇用されている
■以下(1)(2)(3)いずれかの要件を満たすこと。
(1)日本国内の大学卒業または大学院課程修了し学位を受けているか、日本国内外の大学または大学院で日本語にかかわる履修がある
(2)日本語能力試験N1に合格している
(3)ビジネス日本語能力テスト480点以上獲得している
上記の要件は、他の就労ビザ申請時にも重要なポイントとなってきます。外国人の就労ビザ申請時には、どの条件を満たすことができるか慎重に確認しましょう。
就労可能な在留資格の申請書類例
どの種類の就労ビザを申請するかにより、提出すべき書類の内容は変わりますが、基本的に以下のものが必要となると考えておきましょう。
【外国人就労者】
申請書
規定サイズの顔写真
パスポート
在留カード
日本国内の大学などで学位を取得したことがわかる卒業証書または卒業証明書
日本語能力試験N1またはビジネス日本語能力テスト480点以上獲得であることがわかる証明書
国外の大学で日本語にかかわる履修があった者はその卒業証書または卒業証明書
【外国人を雇用する会社】
雇用契約書の写し
雇用理由書
会社の事業内容確認資料(会社案内パンフレットや、ホームページの画面を印刷したものなど)
まとめ
飲食業を含むさまざまな職種において、外国人が日本で就労することが可能です。就労ビザは職種により変わりますが、基本的に日本語能力があることや単純労働ではない業務に携わっていることが前提となる点にも注意しましょう。
外国人の就労ビザ申請は決して簡単なものではなく、集めるべき書類の多さや申請書に記載すべき事柄など、知識や経験がない状態では困難を伴う可能性も十分に考えられます。このため、許可申請のプロフェッショナルである行政書士に、ビザ申請にかかわる相談・依頼を行うケースが非常に多くみられます。当事務所でもご相談・ご依頼をお受けしていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。