帰化許可申請には面接があります。帰化許可が降りるためにはこの面接を受ける必要があります。今回は帰化申請における面接について、どのようなものなのかを解説します。

 

面接までの流れ

面接がどのタイミングで行われるのか改めて帰化申請の流れとともに確認していきましょう。

1 法務局への事前相談をする(要予約)

→まず最初に行うことは法務局への事前相談です。この相談で申請人の状況を説明し、申請の際に提出が必要な書類を把握します。

2 必要な書類の収集・作成

→帰化申請においておそらく最も労力がかかる部分です。書類の中には役所に出向く必要がある書類もあるため、平日は仕事があり都合がつかない方などは調整が必要です。また、必要な書類の中には本国でしか取得できない書類もあります。書類の取得方法などを早めに調べて、なんらかの理由で帰国した際についでに取得するなどしてしまいましょう。

3 申請書など書類のチェックをしてもらう

→必要な書類の収集・作成が済んだら、それらを管轄の法務局へ持っていき不備がないかチェックしてもらいましょう。

4 書類一式を法務局へ提出します。

→事前のチェックで書類に問題がないと確認が取れたら、管轄の法務局へ書類一式を提出しましょう。これで申請受理となります。

5 いよいよ面接

申請が受理されてからおおむね2~4カ月経過後に、法務局の担当官から申請人に面接実施の連絡が来ます。面接の日程については申請人の都合を聞いてくれますが面接は平日に行われるため、仕事との調整もしつつ日程を決定してください。また、面接の日程は可能な限り早い方が良いでしょう。あまり先延ばしにするとそれに伴って帰化許可が降りるのも遅れていくことになるためです。

面接は15歳以上の申請人全員が受けます。基本的には個人面接ですが、配偶者などがいる場合は配偶者も同席する場合があります。

6 法務省での審査

→面接後、申請に関連する書類一式が法務省に送られ、法務所での審査が行われます。審査の結果が出るまでは状況により変動しますが、申請から6カ月~1年以上かかるケースが多いです。注意点として、帰化申請中に在留資格の有効期限が切れてしまうと当然不法滞在になってしまうので、帰化申請中でも在留資格の更新の手続きは忘れずにしましょう。

7 帰化の許可・不許可

審査の結果、帰化許可となれば官報に帰化者(申請人)の氏名が記載されます。官報掲載後2週間ほどで法務局から連絡があり、今後の手続きの流れなどの説明を受けます。不許可の場合は申請人のもとに不許可通知が届きます。

 

面接でよくされる質問

面接においてされる質問事項については公表されていません。申請人それぞれの状況によって質問事項が異なるためです。そのため、申請人ごとに面接にかかる時間も様々で30分で終わる方もいれば2時間近くかかる方もいらっしゃいます。

そうは言いましても比較的どの申請者でも聞かれやすい質問事項というものはあります。下記より紹介します。

申請内容の記載事項に関する質問

申請の際に提出した申請書の内容を確認するために、申請内容の記載事項について質問を受けることがあります。

  • 来日の経緯
  • 日本に居住する意思の確認
  • 日本国籍を取得する理由
  • 日本人と結婚している場合、結婚に至ったけ経緯
  • 両親や家族などの身分関係について
  • 家族以外の同居人がいる場合にその同居人について
  • 過去に違法行為があればその経緯について

生計状況に関する質問

申請人の状況によりけりではありますが、帰化申請においては申請人の生計状況は重要な審査ポイントです。面接においても詳細な質問がされる可能性が高いでしょう。

  • 来日後の仕事の転職時期
  • 現在の仕事の内容
  • 現在の家計の財産状況や今後の財産の見込み
  • 税金の支払い状況や公的年金の加入状況

日本語能力について

面接の質問事項ではありませんが、日本人として生活できるだけの日本語能力があるかどうかの審査も面接時にされます。一般的には小学校3年生程度の日本語能力があれば問題ないとされています。人によっては簡単な日本語の筆記試験を受けることもあります。自信のない方は事前に日本語の勉強をしておくと良いでしょう。

 

面接でのポイント

担当官との面接においてのポイントは申請の際に提出した書類の内容と面接で答えた内容に差異がないことです。申請人本人に嘘をつくつもりがなくても、緊張などから間違ったことを話してしまうこともあると思います。しかしその場合、申請内容を申請人が理解していないと担当官から判断されてしまい最悪の場合は不許可となってしまいます。

ですから、面接では落ち着いて受け答えするように心がけて下さい。

 

まとめ

帰化許可申請における面接について解説しました。帰化許可申請は基本的には書類審査ですが、面接も重要な審査の一部です。面接の対策としてはまず申請書類の内容をしっかりと把握しておくことが大切です。そして、聞かれた質問に落ち着いて答えましょう。また、担当官からの印象も大事ですから、特に指定はありませんが派手な服装などは避け清潔感のある服装で面接に臨むようにしてください。

帰化許可申請について不安なことなどがある場合は一度専門家にご相談ください。

 

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