永住許可申請をするには身元保証人となってくれる方が必要です。身元保証人になってくれる方がいないと、永住許可のその他の要件を満たしていても許可が降りません。身元保証人と言うと、いわゆる連帯保証人のようなものを想像して、もしかしたら債務を支払うことになるんじゃないかと思われる方も多いと思います。

しかし、永住許可申請においての身元保証人はそのような一般的な保証人とは異なります。これから順を追って説明していきますので永住許可の身元保証人がどのようなものかを正しく理解しましょう。

 

身元保証人になることができる人

身元保証人には誰でもなれるわけではありません。以下の3つの条件をクリアしている方が身元保証人になることができます。

①日本人か永住許可を持っている外国人

身元保証人になることができるのは、日本人、若しくは永住許可を持っている外国人です。就労ビザや家族滞在の外国人は身元保証人になることができません。友人や職場の上司、婚姻している場合は配偶者に身元保証人をお願いするケースが多いです。

②安定した収入が証明できること

申請人の同じく身元保証人にも収入の要件があります。どれくらいの年収額があれば良いかは明確には示されていません。申請人よりも高い年収額が必要ということではなく、一定の定期的な収入があれば良いです。申請人の年収額の要件と同様に目安として、年収額300万円以上あれば安心でしょう。申請人と同様に年収を証明するために課税証明書の提出が必要です。身元保証人の場合は直近1年の収入を証明します。

③納税の義務を果たしていること

税金の滞納があると身元保証人になることができません。審査の際は全ての税種がチェックされるのではなく、主に住民税の滞納がないかが重要です。また、申請人の場合は納税義務に関して税金を納めていることは大前提として納期をしっかり守っているかどうかも重要な審査ポイントでしたが、身元保証人の場合は滞納さえなければ納期を守っているかどうかまでは厳しく要求されません。

 

永住許可の身元保証人の保証内容

永住許可申請の際、身元保証人に関して身元保証書という書類を提出します。その身元保証書には保証内容として下記の3つが記載されています。

・滞在費(永住許可の申請人が日本に滞在するためにかかる費用全般のことです。)

・帰国旅費(申請人が万が一に帰国する際に必要な費用のことです。)

・法令の遵守(申請人が日本に滞在する際に日本の法令などの社会的規範を守ることです。)

身元保証人は申請人が永住許可を取得したのち、日本で生活するにあたってこれらのことを保証することになります。

 

永住許可の身元保証人の責任

初めに説明した通り永住許可の身元保証人は一般的な保証人とは異なり、債務の返済を肩代わりするようなことはありません。専門的な言葉になってしまいますが、身元保証人は法的責任を負いません。というのも、永住許可の身元保証人の責任の範囲は道徳的責任を負うにとどまるのです。

例えば、仮に申請人が法律違反をしてなんらかの損害賠償を支払うことになったとしても、身元保証人にはその損害賠償債務を支払う義務は発生しません。被害者が裁判所に訴えたりした場合でも身元保証人に債務の履行を請求することはできません。

永住許可の身元保証人は万が一申請人が困った場合は手を貸しますよというような口約束的なものに過ぎません。万が一その約束を果たさなかったからといって法的なペナルティもありません。ただし、身元保証人としての責任を果たせなかった場合は今後は他の外国人のために永住許可の身元保証人になることができなくなります。

 

まとめ

永住許可の身元保証人は一般的な保証人とは性質が全く異なります。法的な責任は負わないため、具体的な責任追及などはなく債務の肩代わりもありません。この点を身元保証人をお願いしたい方に正しく説明することが大切です。しっかりと説明できないと、保証人という言葉だけで機械的に断られてしまう可能性が高まります。正しく説明するには当然、説明する本人(申請人)が永住許可の身元保証人について正確に理解していることが必要です。

永住許可の身元保証人について不安なことがある場合は一度、専門家に相談してみるのも良いかもしれません。

 

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